遼、18位で終了 恐怖心との戦いに苦しむ
千葉県の鷹之台カンツリー倶楽部で開催された国内男子メジャー第3戦「日本オープン」最終日。6オーバーの27位タイから出た石川遼は4バーディ、4ボギーの「71」で回り通算6オーバーのまま、順位を18位タイに上げて終了した。
最終組よりも約2時間早いスタートとなった最終ラウンド。優勝争いに加わることができなかった石川は2番でピン左奥7メートルを沈めてバーディを先行させた。しかし続く3番、4番ではいずれもパーオンをグリーン手前のラフに阻まれ、パーパットを外して2連続ボギーで後退。6番(パー5)でもラフを渡り歩き4オン2パットのボギーとしてしまった。
「自分で良くなりかけた流れを悪くしてしまった」。折り返し前の9番で2メートル、後半12番で3メートルのバーディパットを沈めるなど徐々にパッティングが復調し、ペースをつかむ。14番では目標としてきた4つ目のバーディを奪った。しかし16番では2メートルを外してボギー。最終18番も上りのバーディチャンスをショートしてパーとし、ギャラリーのため息がもれた。
プロ転向後の2008年以降2位、2位、8位とトップ10を外さなかった日本オープン。しかしアマチュア時代から数えて5度目の今年は、優勝争いのチャンスすらなかった。前週まで不振だったドライバーショットは復調。しかしショートゲームとの“噛み合わせ”が悪かった。「ミスが少ない選手が勝てる。まだまだ時間がかかる」。
今季初勝利、そして通算10勝を待ち焦がれる一方で、その難しさも痛感し始めている。「経験が少なかった時には“イケイケ”でやれたが、(今は)『ミスするんじゃないか』という気持ちとも戦っている。そういうものに負けないくらいの技術をつけなくてはいけない」。国内最高峰の難セッティングの中で「“こっちに外しちゃいけない”と“ここに打てばいい”という両方の気持ちの戦い」と、コース上で恐怖心と向かい合う自分が露呈された。
プロ4年目、20歳で迎えた“壁”。2011年の国内男子ツアーも残りは6試合。その苦悩を打ち破ることができるのは、石川自身に他ならない。(千葉県千葉市/桂川洋一)