2011年 中日クラウンズ

遼、1年ぶりに世界記録の地へ凱旋

2011/04/27 17:16
名古屋GC和合Cのクラブハウス2階には、昨年の「58」の際のスコアカード、クラブ、ギネス認定証などが展示されている。

一年前の5月2日。「中日クラウンズ」最終日に世界最小ストロークとなる「58」をマークして逆転優勝を飾った石川遼が、再び思い出の地・名古屋GC和合Cに戻ってきた。

火曜日はラウンドせずに練習のみ、この日水曜日はプロアマ戦を行い18ホールのラウンドをこなすと、その後はドライビングレンジ、パッティンググリーン、アプローチ練習場と一通りの調整をこなして本戦へ最後の準備を整えた。

「去年までは自分のプレーじゃ通用しないなっていうのはあったけど、あの1日で変わりました」と石川は振り返る。全長6,545ヤードでパー70。決して飛距離がものをいうコースではない。パー4はほとんどが400ヤードを切り、小技やパッティングの精度が要求される。そのコースを、昨年は正確なドライバーショットと絶妙のウェッジの距離感で12バーディを奪ってねじ伏せた。

練習場ではトップ時に右ひじが離れないよう、下を向くように確認を繰り返していた石川遼

「マスターズ」以降、パッティングではカップを50㎝オーバーすることを心掛け、先週からはスイング軌道をよりフラットにするフォーム改造にも着手している。今週は「ドライバーショットとアグレッシブなパッティングを見て欲しい」と石川は意気込んだ。

周囲からは世界記録に認定された「58」越えを期待する声も漏れてくる。しかし、石川はそんなプレッシャーとは無縁のようだ。「期待されるのは僕にとって嬉しいこと」。そしてにっこりと笑いながらこう続ける。「でも多分、『今年は57を出してくれ!』っていう人も本当にそうは思っていないと思うんですよ」。本人にとっても、「一生ゴルフをやっていても、今後出ない可能性が高いスコア」と、ことさら数字を意識する気負いは見られない。

今夜は雨の予報が出ている名古屋地方。大会初日に向けて「1、2番あたりでグリーンの硬さを把握しないと、アイアンがショートしがちになるのはもったいない。なるべく早く対応したい」と、早速序盤からのバーディラッシュのイメージを固めていた。

2011年 中日クラウンズ