1打差で初優勝を逃した有村「この差は大きい」
米国女子ツアーの第2戦「HSBC女子チャンピオンズ」は27日、最終ラウンドを行い首位に1打差の2位で出たカリー・ウェブ(オーストラリア)が「69」をマークし通算13アンダーで優勝した。有村智恵は通算11アンダーの単独首位でスタートしたが「71」で通算12アンダーとなり、惜しくも1打差で2位となった。
悔いの残るラストチャンスだった。ウェブに1打ビハインドで迎えた最終18番。グリーン左奥のエッジからパターで放ったバーディトライは、芝で小さくバウンドし、カップに届かなかった。「きょうを象徴するようなショートでした。しっかり芯でヒットできていれば・・・」。激闘の末、プレーオフへの望みは絶たれた。
トーナメントリーダーとして迎えた最終日。メジャー7勝のカリー・ウェブと世界ランク1位のヤニ・ツェンとの最終組は、前半はヤニが猛チャージ。一方で有村は5番で3パットしてボギーを先行させるなど、苦しんだ。チャンスが作れず、パットはショートばかりでイライラが募る。同世代のヤニがラウンド中、積極的に話しかけてくれたこともあり「いつもより精神的にはリラックスできた」が、リズムをつかめない。
9、10番で連続バーディを奪った直後の11番では1.5メートルを外してボギー。「悔いが残る。相手を楽にさせてしまう。そこが甘いところ」。その直後の12番でウェブに並ばれ、14番でアプローチミスでボギーとし、バーディを奪ったウェブにかわされ、逆に2打差とされる。最終コーナーを回ったところで、かつての女王に主導権を渡してしまった。
プレッシャーが最高潮に達する勝負所でのプレーの違い。「世界のトップと、私の今日の最終日最終組のプレーを比べてみると、足りないところがいっぱいある。この1打、1つの順位の差はすごく大きい。悔しい」と“完敗”を素直に認めながらも、それが大きな収穫にもなった。
次の米国女子ツアーの試合は3月31日からの「クラフトナビスコチャンピオンシップ」。「そこでいい成績を残したい。今回が奇跡と言われないように」。ラウンド後、グリーン脇で待っていた先輩の宮里藍と抱き合うと、こらえていた感情があふれ出た。大舞台で眼に浮かべた悔し涙は、何物にも代えがたい。