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2022年 全米オープン
期間:06/16〜06/19 場所:ザ・カントリークラブ(マサチューセッツ州)

ジャスティン・ローズ 一風変わったルートでタイトリストの新アイアン投入

「ブレードは単にブレード」-。ゴルフ用具の世界では、通常、薄いトップラインとコンパクトな形状により特徴づけられるマッスルバックのブレードアイアンは、すべてそのシンプルさにおいて類似しており、違いがごくわずかであるということを表現する上で、このフレーズが使われる。かつてのフェデックスカップ王者であり、「全米オープン」の元王者でもあるジャスティン・ローズ(イングランド)は、その理論に賛同していない。

ここ数年、ゴルフクラブのフリー契約選手としてプレーするローズ(Axis1とのパター使用契約は別として)、数々のブランドの様々なモデルのアイアンを使用しており、これには複数のブレード型デザインが含まれる。今年に関していうと、ローズは「マスターズ」で、コンパクトなキャビティバックモデルである、テーラーメイド P7MC アイアンを使用している。しかしながら、「全米プロゴルフ選手権」でティアップした際は、今も使用しているタイトリスト 620 フォージド MB ブレード型アイアンに変更していた。

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ローズは「全米プロ」で13位に入り、ツアー史上最少スコアに迫りつつ、最終的には「60」をマークした「RBCカナディアンオープン」での4位フィニッシュを経て、「全米オープン」を迎えた。彼がどのようにして、この新しいクラブに落ち着いたのかという話は実に興味深いもので、仲間たちの大半がどのようにしてギアを手にしたのかとは話が異なる。

大部分のツアー選手たちは、大会の練習レンジで用具をテストし、自分に合うよう微調整を加えるため、用具メーカーの専任クラブフィッターの専門知識を最大限に活用するが、ローズは現場から離れたロンドンにあるクラブフィッティング施設「カスタム・ゴルフ・ワークス・サニングデール」を訪れている。

ここのフィッターは、DPワールドツアーで10年間、選手たちのクラブフィッティングをしてきた経験を誇るが、一般の人々にもサービスを提供している。また、単一の用具ブランドと提携しているわけではない。タイトリストのクラブは、単純に、ローズによる試打セッションを勝ち抜いたのである。カスタム・ゴルフ・ワークス・サニングデールにクラブフィッティングの遂行への協力を得ることで、ローズは大会期間中に、用具のテストに割く時間を減らすことができた。

「私たちはいくつか違うヘッドを試してみたのだけど、タイトリスト(620 フォージド MB)の見た目が気に入ったんだ」と、ローズは「全米オープン」の練習日にGolfWRXに語った。「これをテストしたのだけど、実際、パフォーマンスはかなり良かったんだ。打ち出し角やスピン量も良かったし、散らばりも少なかったね。(ブレードアイアンの設計はモデルにより)そこまで大きな違いは出ないけれど、より重要なのは、見た目がしっくりくるかどうかなんだ。ただ、(様々なモデルのブレードを)使えば使うほど、特定のアイアンの間には、微妙な差異のあることに気が付く。これに関しては、ラフからの出球が少しだけ速いということに気づき始めている。単に溝の違いによるものかもしれないけれど、ジャンパー(フライヤー)が出やすいね。フェアウェイからのスピン量は、他とも変わらないし、ちょうど良いね」

ラフからの脱出は、「全米オープン」において常に大きな部分を占め、会場であるザ・カントリークラブでも変わらない。長い芝は、コースの小さくアンジュレーションの効いたグリーンへのショットを打つ際に、選手たちへの試練を高めた。

深い芝は、通常、インパクト時のクラブへの抵抗を高めることから、飛距離のロスを生じさせる。しかしながら、これと反対のことが起こることがあり、時として、ボールとクラブフェースの間に芝が挟まることにより、ボール初速や飛距離を落とすことなく、スピン量だけ減少することがある。これは、“ジャンパー”あるいは“フライヤー”と呼ばれる現象であり、これが起こると、ボールは目に見えて遠くまで飛ぶことになる。ジャンパーの唯一の問題は、ナックルボールのように飛ぶことであり、これにより、グリーンを捉えて止めることが難しくなるが、効果的に利用すると、ジャンパーはかなり便利なものになる。ローズは新しいクラブの方が、以前に使用していたセットに比べ、“ジャンパー”が出やすいと述べた。

「正しい使い方さえ学べば、ジャンパーはバッグの中で役立つクラブになり得るから、僕は(タイトリストのアイアンで)その調節を把握しようとしているんだ」とローズは言う。

“フライヤー”または“ジャンパー”は、特定の状況下では実際、飛距離が伸びるため、正しい利用方法さえ学べば、グリーンを狙うショットで、低い番手でロフトの高いアイアンを選択し、高さを出して落下角度を急にすることで、グリーンにボールを止めやすくすることができるのである。

前述したように、ローズはタイトリストのアイアンだと、ラフからの初速が速いのは溝に理由があるのかもしれないと指摘した。これは、彼の使用するフォージド 620MBモデルのアイアンは、他のブレードアイアンに比べ、溝のレイアウト、深さ、幅、そして鋭さが異なっているかもしれないことを意味する。溝の構成や設計が異なれば、摩擦量も違ってくるため、達成できるパフォーマンス特性にも違いが生じることになる。

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

情報提供:PGA TOUR

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