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<高山忠洋を襲ったアクシデント、立ち直るきっかけはあのベテラン>

高山忠洋に、突然の悲劇が訪れたのは、「ANAオープン」の水曜日だった。ドライバーの練習中、嫌な感触が手に伝わった。フェース面を見ると、スコアリングの溝に沿って亀裂が入っているではないか。高山が賞金ランキング2位になった2011年から2年半にわたって使い続けたエースドライバーがついに金属疲労を起こしてしまった瞬間だ。

プロサービスに急遽新しいドライバーをアッセンブリ(組立)してもらったが、どうにもしっくりしない。ヘッドを換えたりシャフトを換えたり、試行錯誤を続けているうちに、気が付けば6時間、球数にして400球も打っていた。「もう体はボロボロでした。下が柔らかいから足もおかしくなっちゃって」と初日をスタートしたものの80の大叩き。2日目にはついに棄権するほどになってしまった。

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「それから毎日ドライバーと格闘ですよ。もちろんスペアドライバーもあるんですけど、エースとは違うんです」と高山。素人からすれば、ヘッドの大きさやロフト、重心位置、シャフトのフレックスなど仕様が同じなら、性能はたいして違わないだろうと思ってしまうのだが、予備として持っているスペアでさえも、高山にとっては「同じようにいかない」ということになる。

翌週の「パナソニックオープン」の水曜日になっても、ぎりぎりまで試行錯誤は続いていた。スペアのドライバーヘッド3個にシャフトを挿して、迷った挙句に、そのうちの1本をバッグに入れて練習ラウンドに出たのは、もう少しで午後1時になろうとする時間だった。ちょうどハーフターンする井戸木鴻樹に頭を下げて一緒にラウンドすることに。井戸木のドライバーを見ると、新しいシャフトが挿してある。「手に馴染むまで時間がかかるんじゃないですか?」。「そやなあ」などと、クラブについての会話をしながらのラウンドに高山の心は和まされた。井戸木に「その球筋やったら大丈夫やないか」と言われたのも高山がほっとする材料だった。

「そういうクラブについての深い部分の話は、平気で新しいクラブを使う若い選手にしても分かってもらえないんですよ。パーシモンとかクラブを大事に、綺麗に使って、それを抱いて寝たぐらいの、そういう気持ちのある選手じゃないと。井戸木さんみたいに戦歴がある選手じゃないとね。お陰で井戸木さんに心のケアまでしてもらいまたよ」と高山。

高山には、左手首痛という弱点があった。それを何とか改善しようとフィジカルトレーナーの秀島正芳さんと契約したのが2009年。今年は「もう大丈夫」と言われてシーズンに臨んだ。「400球も打ったら、手がパンパンになってしまって、握力がなくなってしまった」というほどの試打でも、手首痛にはならなかったのだ。「去年までの手首だったら、もう壊れていたでしょうね」と高山は嬉しそうに笑う。「ここから調子を上げて行かなきゃならないところですから」と言う高山のラストスパートに期待したい。

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