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申ジエへの熱視線 日本企業のスポンサー殺到のわけとは?

2015/05/05 12:40

申ジエは今大会、初めて短パンで試合に臨んだ

国内女子ツアー「サイバーエージェント レディス」で今季初優勝を飾り、節目となる日本ツアー通算10勝目を挙げた申ジエ(韓国)。米国で戦い、世界ランキング1位の座も奪った女王は昨季から、主戦場を日本に移した。本格参戦2年目となる今年、外国人選手ながら、スポンサーとなる日本企業が増えているのだという。

「全英リコー女子オープン」を2度制すなど、その戦歴は華麗だ。2010年には世界ランクトップに立った。だが「位置や経歴にとらわれ、本来の自分を見失っているような気がした。暖かい人間味を感じる日本でやってみたいと思った」と、米ツアーの資格を捨てて昨シーズンから日本ツアーに専念。6月の「ニチレイレディス」で勝利すると、昨季は計4勝した。

今季も、開幕2カ月余り、出場8戦目で1勝目をつかんだ。だが本人はシーズン初優勝への「焦りがあった」と語る。このオフに続々と契約が舞い込んだ新規スポンサーの期待に応えなければいけない、という思いがあったからだ。

申の関係者によると、昨季はメーンスポンサーがいなかったが、今季から、昨年までサブスポンサーだった工業用ボンドを生産する「スリーボンドホールディングス」(東京都渋谷区)と3年間の所属契約を締結。ウエアはミエコウエサコスポーツと契約し、日産自動車からは移動サポート車両として、エルグランドの提供を受ける。

ほかにも日本の自動車部品メーカーが、サブスポンサーに加わるなど、大半のスポンサーを日本企業が占める。海外メジャー2勝、世界ランク1位に輝いた実績は、グローバル展開を進める日本の企業にとって魅力なのは間違いないだろう。

ただ、申ジエが日本ツアーを主戦場としている限り、その活躍によって企業名が露出する先は主として日本社会。海外へのアピール力を考えるのなら、むしろ米国ツアーに挑戦する日本人選手の方が高いかもしれない。逆に、日本国内でのアピールなら、台頭している日本人の人気若手選手だって影響力は遜色ないはず…とも思う。

新たな所属先となったスリーボンドホールディングスの担当者は、申ジエとの所属契約に関して「実績もすばらしいですが、何年も通じて変わらない人間性のすばらしさを評価しました」と説明した。サブスポンサーとしての昨年までの関わりで、申が賞金女王を争う立場にいながらも、スリーボンド社主催のプロアマイベントなどで契約の履行に快く協力し、スポンサーを満足させてきた経緯が背景にある。他の選手がそうでなければないほど、義理を重んじることは「人間性」の一部として高い評価を受ける。

また、これまで何度も報じられてはいるが、申の人間性を表すエピソードとして、積極的な寄付活動への取り組みは欠かせない。東日本大震災に見舞われた2011年は、今大会で獲得した賞金616万円を全額寄付。広島市で大規模な土砂災害が起きた昨年も、優勝賞金の一部を寄付金とした。日本以上に積極的な寄付活動を続けている韓国では“寄付天使”というニックネームで知られているほどだ。

「利益追求の一方で、社会貢献も求められる大手企業にとって、スポーツ選手への支援が慈善活動にもサイクルしていく申ジエは、スポンサードしやすい選手といえる。寄付税制の違うアメリカでは一般的なロールモデルですが」(ある広告代理店のスポーツ担当)

時に、選手も忘れがちだが、企業はスポンサードすることで会社の価値が高まるから選手と契約を結ぶ。ゴルフが巧いことは、厳密にいうと理由ではない。信頼性や先進性、国際性…など企業イメージをそのプレースタイルや生き方・存在感に重ねられるか、または、経営上の費用対効果を感じられるほど「時間」などの見返りがあるか。申ジエの“人気”には、そんなプロゴルファーと企業との根源的な関わりの部分を強く感じる。

「今年はいろいろな日本の企業がスポンサーになっていただき、応援していただいているので、なるべく早めに優勝したかった」と語った申は、早期に恩返しの第一歩を果たした。今後も、新スポンサーとの正式契約が秒読み状態だといい、キャディバッグには次なるスポンサー名を刻む空きスペースが用意されている。(編集部/塚田達也)

塚田達也(つかだたつや)
1977年8月23日生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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