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イップス克服へ、藤田幸希の決断

先週の「CAT Ladis」2日目終了後、藤田幸希は溢れる涙を堪えることができなかった。「ショットはずっと調子が良いのに、ここ2年くらいパットがイップスみたいになって悩んでいて・・・」。その日は3パット3回を含む、計34パット。同組で回った仲の良い佐々木慶子上原彩子に優しい言葉を掛けられ、感情の糸がプツリと切れた。

ホールアウト後、練習グリーンで佐々木は1時間以上、藤田に付き合ってパッティングを見たという。「入らない、入らないって言っているけど、打てていないなと。もっと気持ち良く打てるようにしないと、距離感もラインも合わないから」と、佐々木は言う。パターの代わりにウェッジの刃で打たせてみると、スムーズにストロークは出来ている。「それをパターで出さないといけないんだよって」。佐々木は、藤田がショットのときに比べ、パッティングの際に少しボールから離れ気味に立っていることも指摘したという。

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一時は長尺パターを使うことも頭をよぎったが、「どうせ2016年までしか使えないし」とこれは断念。今週、藤田は思いきってパターのシャフトを34インチから32.5インチへと切り落とした。「短くしたら良くなりました。余計な動きをしないというか、手首が緩くて、手で打ってしまう傾向がなくなって、だいぶ良くなりましたね」。

「ニトリレディス」最終日は、ホールインワンにも助けられて、26パットの「66」。最終18番でも、1.5メートルの嫌な距離のパーパットを沈めて、7位タイでフィニッシュした。

先にホールアウトしていた藤田は、後から上がって来た佐々木を見つけると、一目散に駆け寄って抱きついた。主催者から贈られたホールインワン賞“ニトリ商品券30万円分”は、長いトンネルの中にいた藤田の苦労をねぎらうかのようなご褒美だ。「(佐々木に)1割は私が貰うからねって言われちゃった」とこぼす藤田の表情は、もちろん嬉しそうだった。(北海道苫小牧市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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