ウッズの原点リビエラ 真ん中バンカーの6番グリーンは“傾斜地獄”
リビエラCC 6番パー3 (199yd)
以前、ダスティン・ジョンソンに「世界で一番好きなコースはどこ?」と聞いたことがあります。彼が名前を挙げたのが、今週「ジェネシス招待」が行われるリビエラCC。3年前に優勝して初めて世界ランキング1位となった地でもあり、ひときわ思い入れも深いのでしょう。1926年に設立された米国屈指の名門コース。2028年ロサンゼルス五輪でゴルフ競技が実施されれば、その舞台となる予定でもあります。
トピックは、大会が今年からタイガー・ウッズの招待試合として開催されること。タイガーにとっては、アマチュアだった1992年に16歳でPGAツアーデビューを果たした“原点”です。3年シードをはじめ、キングの名前を冠した「アーノルド・パーマー招待」、ジャック・ニクラスがホストする「ザ・メモリアルトーナメント」に匹敵する格付けとなっています。ツアーのリスペクト、何よりタイガーの偉大さを改めて実感します。
昨年紹介した10番など名物ホールはいくつもあるのですが、今回ピックアップしたのは6番。199ydのパー3はやや打ち上げになっていて、グリーンのセンターにバンカーが待ち構えています。左右の小さなグリーンが、バンカーを挟んでくっついたようなイメージですね。
最大のポイントはグリーンの傾斜。ただでさえリビエラは、12フィートを出してくる高速グリーンです。そしてこの6番では、18ホールで最もきついスロープが選手たちを苦しめます。お椀型の形状で真ん中にボールが集まるようになっていて、横幅10ydのスペースに打てないとパーを取ることも厳しくなります。バンカーを挟んだ反対サイドにミスショットでもしようものなら、どうやってボギーで上がるかを考えなくてはいけません。
前後のティイングエリアを使い、150~200ydと距離の幅を持たせて選手を試してくるのもPGAツアーらしい演出。挑戦状をたたきつけられる選手たちも、直接ピンを狙うタイプがいれば、傾斜を利用するショットを打ったり、球の高低を自在に操って多彩な攻略法を披露してくれます。トッププレーヤーたちの豊かなイマジネーションと技術に注目して下さい!(解説・進藤大典)