「みんな驚いた」稲見萌寧のアイアン変更 いきなりハマった“軸を取る”練習とは
◇日米女子ツアー共催◇TOTOジャパンクラシック 最終日(5日)◇太平洋クラブ美野里コース(茨城県)◇6598yd(パー72)◇晴れ(観衆3528人)
1打差3位から出た稲見萌寧が逆転で米女子ツアー初優勝を飾った。4バーディ、1ボギーの「69」で回り、通算22アンダー。2020-21年シーズンに9勝を挙げた年間女王も22年8月「ニトリレディス」以来となる勝利に涙がこぼれた。
前半だけで4度のスイング改造を敢行した今季、10月「スタンレーレディスホンダ」からはもうひとつのビッグチェンジに踏み切った。圧倒的な強さを見せた栄光のシーズンはもちろん、15年からほぼ不動だったテーラーメイド「P770 アイアン」を「ミズノプロ 243」に一新した。
「テーラーメイドも自分に合っていて、(P770で)実績を積んできたから、替えるのには勇気が必要だった」と葛藤を明かしつつ、ラストセットでスペアがなくなった事情もあり、小学生のころに使っていたミズノ製をテスト。打感の良さにほれ込んで投入した。「私はこだわりが強いので、それでも替えたということでみんなから驚きの声もあった」と笑う。
4日間のパーオン率は驚異の94.44%(68/72)と全体トップの数字をマーク。「いまは安心して使っています」という新たな相棒に加え、スイングの微調整もハマった形だ。「トップに行くまでに回りすぎていたものを、なるべく耐えるようにと意識した。そこが大きかった」
3日目のプレーを終えて向かった練習場では、左足にクラブを立てかけて打つ練習を繰り返していた。発案した柳橋章徳コーチは「彼女は左足を内側に入れるクセがあって、(伸びる)足の軸取りがブレブレになってしまう。地面とのつながりやクラブとの引き合いを感じるように、左足に(クラブを)置くことで整えたという感じです。体の中心軸を取るという意味で彼女には良かったのかもしれません」と狙いを語る。まさにこの週から取り入れ、すぐに結果へとつながった。
<最終日のクラブセッティング>
ドライバー:テーラーメイド ステルス2 プラス(10.5度)
シャフト:UST マミヤ The ATTAS V2(長さ45インチ、重さ50g台、硬さS)
グリップ:パルマックス
フェアウェイウッド:テーラーメイドステルス2(3番15度)
シャフト:UST マミヤ The ATTAS V2
ユーティリティ:テーラーメイド ステルス2 レスキュー(3番19度、4番22度)
シャフト:日本シャフト NSプロ プロトタイプ
アイアン:ミズノ ミズノプロ 243(5番~PW)
シャフト:トゥルーテンパー スチールファイバー fc cw
ウェッジ:タイトリスト ボーケイ SM9(48、52、58度)
シャフト:トゥルーテンパー スチールファイバー fc cw
パター:テーラーメイド トラス TB1 トラスヒール パター
ボール:ブリヂストン ツアーB XS