週刊GD

「アンカリング問題」、トップアスリートの意見は?

2013/04/03 22:25

「週刊ゴルフダイジェスト」(4月16日号)より

パターのグリップを身体につけ、そこを“支点”とするイメージでパターを動かしていく「アンカリング」スタイル

「クラブを体につけて振るのは伝統に反する」と、タイガー・ウッズがアンカリング問題について発言。“スコア至上主義”に一石を投じるともいえるコメントをした。そもそもゴルフというスポーツにおける伝統や美しさって何だろう? 週刊ゴルフダイジェストでは、ゴルフを愛する著名人に意見を聞き、その答えを考える特集を展開している。

アンカリング問題とは、中・長尺パターのグリップを身体につけて振る(アンカリング)パットのスタイルを禁止する、R&AとUSGAのルール制定についての議論である。

プロゴルファーでは、中尺・短尺の選手も多いシニア界から金井清一さんや水巻善典さんら。アスリートの立場から杉山愛さんや舞の海秀平さん、森末慎二さん、室伏重信さんら世界のトップで活躍したスポーツ選手。さらに所ジョージさんや黒鉄ヒロシさん、高橋三千綱さん、桂文楽さんなど、ゴルフを愛してやまない各界の識者。それぞれの立場から意見が寄せられた。

それらはやはり賛否両論ある。その中で、野球解説者である「鉄人」衣笠祥雄さんの言葉を紹介しよう。

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「プロの世界は結果を残さないと生き残れないですから、勝つための方法がゴルフではアンカリングなのかと思います。許されるのであれば、プロならば使うでしょう。野球でも結果が出ないと、どんなに美しいフォームでも、プロの世界に居続けることはできません。とはいえ、おかしなフォームで結果を残した人は過去にはいない。モノを振るということによって結果を残すわけですから、理論的に正しくないと、いい形が出来ないですね。人間の身体の関節の使い方というのは、当然理論的なことがきちんとなされています。

結果が出ればどんな打ち方でもいいだろうといわれますが、形が整っていないと結果が出ないのも事実なんです。モノを振るというのは基本型があって、その上に個性があって形がいろいろに見えるだけ。そこに個性があるとしたら、その人の身体の強さ。上半身が強いのか、下半身が強いのか。それによって見る人が多少違った見方で違うふうに映るだけのように思いますね」

プロという厳しい世界に生きたスポーツ選手としての、実に深みのある指摘と言えるだろう。

さて、ゴルフは「入れるゲーム」か、「スウィングの芸術」か。あなたはどう考えますか?