エージシュート1000回の男。ヒミツは「飴玉」!?
「週刊ゴルフダイジェスト」(3月12日号)より
今年1月14日、なんと1000回目のエージシュートを達成した89歳のスーパーおじいさん、植杉乾蔵さん。89歳にしていまだに70台のスコアも叩きだすという植杉さんのゴルフ、その秘訣は何なのだろう。
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GD 2012年の平均スコアはどのくらいでしたか?
植杉 おそらく83~84くらいだったはずです。エージシュートの達成率は90%以上でした。
GD それはすごい! その安定感の秘訣があれば教えて下さい。
植杉 リズムを保つことですね。ミスしたときに「いつものように打てれば……」と思うことがあるでしょう? つまり「いつもどおりに」プレーしさえすればベストスコアが出るはずなんです。その「いつもどおり」のカギになるのがリズム。速くなっても遅くなってもいけません。リズムが悪くなると、スウィングもメンタルもすべて崩れてしまいます。
GD リズムよくプレーするためにどんなことを意識していますか?
植杉 たとえば、カートに乗らずに極力歩くことです。カートに乗ると、移動中は座っていてそこからプレーするときに急に動き出すからリズムが作れない。また、常に普段通りのプレショットルーティンをすることも大事。大きな試合のときや、プロと一緒にラウンドして緊張すると、私は打つ前の素振りを忘れてしまうんです。そういうときは、スウィングも速くなって必ずミスします。
GD リズムが崩れてしまったらどうやって立て直すのですか?
植杉 リズムが崩れるのは自分ではなかなかわからないんです。でも私のリズムが悪くなってくると、妻の千枝子が飴玉をくれるんです。それをなめるとリラックスして普段に戻れるんですよ。
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千枝子さんから見ると、植杉さんのリズムが速くなるのは一目瞭然だという。そんなときは、バッグから飴やキャラメルを手渡すのだという。エージュシュート1000回達成には、妻の支えがあったのだ。
あのJ・ニクラスは、多くの選手がテレビカメラを意識していやがるなか、まったく意に介さずプレーを続けていたという。その平常心と集中力が、植杉さんのお手本にもなっている。心・技・体が整ってこそのゴルフ。植杉さんのプレーがそれを教えてくれている。