2016年 バルスパー選手権

岩田寛が新アイアンを投入 きっかけは松山英樹のひとこと

2016/03/10 10:36
ニューアイアンを携えて準備完了。岩田寛は2週ぶりの試合に臨む

フロリダ州イニスブルックリゾートで開催される米国男子ツアー「バルスパー選手権」に出場する唯一の日本勢、岩田寛の手には今週、ピカピカのアイアンが握られている。本間ゴルフ TW727M アイアン。既に今季はこのクラブで戦ってきたが、ほんの1週間ほど前に手に入れたプロトタイプだ。

マッスルバックタイプの見た目にも美しいヘッド。モデルは同じだが、これまで使っていたものよりも一回りヘッドが大きい。きっかけは、ダンロップスポーツのマッスルバックアイアンを使う松山英樹とのやり取りだったという。

「最初、英樹が僕のアイアンを見て『小っちぇえ…』って言うから、またまたぁ、なんて思って英樹のを見たら少し大きい感じがした。真似したんです」

契約する本間ゴルフの対応の早さも見事だった。2週前に予選落ちを喫した「ザ・ホンダクラシック」の週末、要望を受けた日本の担当者は、山形県にある同社自慢の酒田工場で即座に製造した。岩田は前週のはじめには、この紛れもないメイド・イン・ジャパンのアイアンセット(3番~10番)を受け取り、オープンウィークに練習を重ねた。

岩田寛が握るマッスルバックタイプのアイアン。出来立てのピカピカ

頻繁にクラブを替えるタイプの選手ではない。とくにパターについては既に市場にないオデッセイ ホワイトホット 2ボールブレードを「たぶん11年くらい」愛用している。「替えるタイミングが分からないんですよね。(壊れたときのために)スペアは一応あるんですけど、微妙に見た目が違って…」

そんな職人気質の男を動かしたニューアイアン。「(オーダーした理由は)やさしく見えるから。安心できる?うーん…でももう慣れちゃったかな」と正直だが、「感触は良いですよ。実際にやさしい気もします。球がちょっと高くなったような感じ」。ティオフ前日の練習を終えると「きょうも、まあまあ良い感じだった。試合がそれでできるかどうかですね」と表情を引き締め、あすからの結果を自分の腕に委ねた。(フロリダ州パームハーバー/桂川洋一)

2016年 バルスパー選手権