松山英樹がテストする、やさしいFWウッドとは
松山英樹のキャディバッグの中で、目まぐるしく変更されるのがフェアウェイウッドだ。トーナメントが始まる前の練習日には、メーカーを問わず多くのクラブが準備され、テストを繰り返している。ドライビングレンジで、たまに「よし、これだ!」という威勢のいい言葉が聞けても、あまり信用してはいけない。
今週、実戦投入の候補の中に、松山が契約するダンロップスポーツ社の展開ブランド、クリーブランドのフェアウェイウッドが加わった。「ファーマーズインシュランスオープン」前の練習日。好感触を得たのは、「ニューCGブラック・フェアウェイ」というモデル。実はコレ、日本では発売されていない。
昨年11月に米国でリリースされたこのモデル。対象としたのはアマチュア、それも初級者、中級者である。メーカーによれば、日本、アジアで絶大な人気を誇る「ゼクシオ」シリーズの技術を多く採用した、いわゆる“易しさ”がウリの新製品だ。
トッププロに配る予定はなく、試合会場を転戦するツアーバン(クラブを調整するための機械と技術者が乗る大型車)にも載せていなかったが、松山本人のリクエストから急きょ担当者が用意した。役立ちそうなものなら、選り好みせずに手に取ってみる。それが22歳の流儀。厳しい“審査”を通過し、次戦以降に実戦投入する可能性も出てきた。
とはいえ、アマチュアが勘違いしてはいけないのが、ヘッドはいくら易しくとも、シャフトは紛れもなくワールドクラスであることだ。挿してあるグラファイトデザイン社のシャフト、ツアーAD・DIシリーズは3Wで重さ90g台、5Wで100g台。硬さはいずれもTX。ツアープロの中でも類を見ないほどに重く、硬い。
誰もがそっくりそのまま“松山モデル”を扱えるわけではないので、あしからず。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)