米国男子ツアー

テーラーメイドが新R15メタルウッドを発表

2014/11/14 12:23

By Jonathan Wall, PGATOUR.COM

テーラーメイド R15ドライバー(左:460cc、右:430cc) 提供:テーラーメイド*写真は11月12日発表の日本仕様。発売時期、価格、仕様は米国モデルと一部異なります。

テーラーメイドの成功を収めたRシリーズのメタルウッドが2年という月日を経て復活する。現地13日、マンハッタンのミッドタウンで開催されたお披露目会見で、新・R15の2015年モデル(ドライバー、フェアウェイウッド、レスキュー)がベールを脱いだ。

2013年の「全米オープン」優勝者であるジャスティン・ローズは、「テーラーメイドがRシリーズを復活させてくれて興奮している。自分と相性の良い製品で、僕にとっては象徴的な存在。テーラーメイドがR300を開発した時、自分のプレーが変わったと実感した」とコメントしている。

R15ドライバー

2015年1月9日から販売を開始するR15ドライバーは、2種類のヘッドサイズ(430cc、460cc)、2色のクラウンカラー(ブラック、ホワイト)から選べる。クラウンは反射率の低いマットホワイトで2011年に発表されたR11ドライバーにも採用された。R11は、2013年にR1がリリースされるまで製造された。

テーラーメイドのメタルウッド製造部門シニアディレクターを務めるブライアン・バーゼルは、「われわれのツアープレーヤーも、このクラウンの復刻に興奮している。2色のクラウンカラーに強い関心が寄せられているのは知っていたが、ホワイトクラウンの復刻を望む声が多かった。これまでに素晴らしい成功を残したものなので、R15のオプションに加えることに異論はなかった」と語っている。

R15ドライバーには“フロント・トラック・システム”が搭載され、ソールに搭載された12.5グラムの2つのスライディング・スプリット・ウェイト(SLDRは20グラムのウェイトが1つ)をヒール、トゥにスライドさせる事で、低・前重心を確保しながら、フェード、ドローの弾道調整が可能となった。また、ウェイトをヒールとトゥに分散して周辺重量配分と安定性も向上させることができる。

バーゼルは、「R15には、われわれが15年かけて作り上げた最新技術を最大限に利用している。見た目も打音も良く、どのプレーヤーにも簡単にフィットしてくれる。われわれのメタルウッドに関する英知を注ぎこんだクラブなので、ゴルファーはきっと理解してくれるだろうし、スイングをするごとに感じてくれるはず。これは特別なドライバーだよ」と、自信作に胸を張る。

ヘッドの重量も抑えることに成功したR15は、SLDRドライバーに比べて4グラム軽く、5グラム分の余剰重量をスライディング・トラックに追加したことで、クラブの操作性も上がった。

当然ながら、R15の弾道調整力はウェイトトラックだけで終わりではない。

R15のロフトセッティングは、プラスマイナス2度のロフト調整機能“ロフトスリーブテクノロジー”により、合計12種類の弾道調整が可能となった。フェースを閉じることでロフト角が増え、開くことでロフト角が減る。

これまでのドライバーと同様に、R15はロー・フォワード(低・前重心)で、直進性、低スピンに加え、ボールスピードもアップした。ソール部分のスライディング・ウェイト・トラックにより、重心はより低く前に移動。ソールはリーディングエッジ方向に12mm移動し、前に40グラム以上も動いている。

ヘッド重量の75%をフェース側に配分したことにより、スピンを100から200rpm抑えられ、打ち出し角もSLDR460と比べ0.5度から1度増えた。

ヘッドサイズは460ccと430ccの2種類で、460ccはティショットでの許容性を求めるタイプにおすすめ。430ccはヘッドがよりコンパクトで、ツアープレーヤーが好む傾向にあり、460よりもスピンが抑えられている。両製品ともにマットホワイトクラウンで販売される。

R15 460ドライバー(429ドル)は4種類のロフト角(9.5、10.5、12、14)から選べ、クラウンの色はホワイトもしくは光沢のあるブラック。シャフトはFujikuraのSpeeder
57 Evolution。R15 430(429ドル)は3種類のロフト角(9.5、10.5、12)から選べ、シャフトはFujikuraのSpeeder67 Evolutionが装着される。

そのほかテーラーメイドはTPバージョン(499ドル)も販売予定で、既存のSpeeder Evolution 661ツアースペックシャフトと、Lamkin Utxグリップを装着。20種類以上のカスタムTPシャフトも追加料金なしで利用可能となっている。

R15フェアウェイウッド、レスキュー

弾道調整機能がついた新しいR15フェアウェイウッド(左)とレスキュー(提供:テーラーメイド*写真は11月12日発表の日本仕様。発売時期、価格、仕様は米国モデルと一部異なります)

テーラーメイドは、最近のドライバーに多様な弾道調整機能を採用しているが、来年からはR15フェアウェイウッドのソールにもフロント・トラック・システムを搭載し、フェアウェイウッドの弾道調整レベルを広げる。

R15ドライバーのソールにあるウェイトトラックと同様、R15フェアウェイウッドにはドローとフェードを打ち分けられる25グラムのタングステンウェイトを搭載。この溝がスピードポケットとしての役割も果たし、スイートスポットを増やし、スピンを抑えてくれる。

バーゼルは、「過去のフェアウェイウッドにスピードポケットを搭載したこともあった。だが、フェースがシャローなため、柔軟性を持たすことが非常に難しかった。だからこそ、この技術は革新的なんだ。弾道調整機能をつけると、重心も本来予定していた部分に置けず、フェースの柔軟性も持てなかった」と、過去の問題点を説明し、「新しいフェアウェイウッドに搭載されたトラックシステムは、スピードポケットのように機能させられる。この恩恵を受けて、弾道調整も実現させられた」と続けた。

テーラーメイドのR15フェアウェイウッド(279ドル、TPは349ドル)は、15、16.5、19、20.5度と4つのロフトから選べ、ロフト調整機能スリーブ付き(プラスマイナス2度)でFujikuraのSpeederシャフトが装着されている。

ツアーからのフィードバックによれば、R15レスキューは、一般的なハイブリッドよりも万能性が増すピーナッツ型のヘッドを搭載したオリジナルのテーラーメイド・レスキューに似ているという意見だった。

テーラーメイドの開発陣は、ハンディキャップの多いプレーヤーが犯しやすい左方向へのミスを抑えるため、ニュートラルな弾道が打てるように工夫されている。

99ccヘッドのR15レスキュー(219ドル、TP289ドル)は3度のロフトスリーブ付でFujikuraのSpeeder77シャフトが装着。ボールスピードが改善しスピンを減少させるスピードポケットが搭載されている。