ツアーADの新作か? 松山英樹が1Wシャフトをテスト
◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前(15日)◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609yd(パー71)
開幕3日前の13日(月)、松山英樹は人知れず新しいシャフトをテストしていた。痛めている背中の状況が気になって、なかなかそちらに注意が向かなかったが、明らかにいつも使っているグラファイトデザイン「ツアーAD DI」のオレンジ色ではないシャフトだった。
手元側に縞々の柄が入っているのでツアーADと推測はできるが、今まで見たことのない茶色、どちらかというと銅のような色。先端にかけての白色の具合も「ツアーAD HD」のような発色の良い白ではなく、落ち着いた白。同社のシャフトは単色のイメージが強いので、銅&白というツートンカラーはどこか新鮮だ。
松山はエースのDIを打った後、その新色シャフトを打って、何やら黒宮幹仁コーチに向かって話をしていた。表情を見る限りは「あれ? 意外といいじゃん」という顔色。その後も新シャフトで20発ほど打ち込んだ。ダメなら2、3発でやめてしまうのが常だから、松山がそれだけの数を打つということは「悪くはない」ということ。ひとまず“当落線上”にはのったと言えそうだ。
いったいどんな性能なのか。同社の新モデルは通常、毎年5月から6月にかけてツアーシーディングが始まるので、現行の最新作「ツアーAD VF」の次期モデルではないかと想像が膨らむ。手元調子系VFの後継だとしたら、同社は手元調子→先調子と毎年交互に出しているため、今回は先調子系の年。となると、手元系の代名詞DIを好む松山にとっては、真反対の性能のシャフトになるはず。果たして松山が好むものなのだろうか?
でも、打っている様子は好感触のように見えるし、プロトタイプの全く新種のシャフトなのかもしれない。松山がよく練習で使う同社の白いカーボンシャフトにも見えなくはないから、同社が松山専用の練習用シャフトを作ったとも考えられる。いずれにしてもすべて推測なので、真相はもう少しすれば分かるだろう。ひとつだけ言えるのは、性能も見た目の色味も、松山にとって“悪くはない”ということだ。
松山は翌火曜日もその新シャフトを何球かテスト。開幕前日の水曜日は会場に現れなかった。(ケンタッキー州ルイビル/服部謙二郎)