「いま僕はココにいます」Vol.35スコットランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・25歳。2012年のプロデビューからの場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、6年間のプロ生活で巡った国の数は実に30以上。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、カーヌスティにいます。
いよいよ大舞台にやってきました。「全英オープン」が19日(木)に開幕します。メジャーは2015年の「全米オープン」以来になりますが、全英は初めて。6月の「ミズノオープン」で得た資格で念願の試合に出ることができます。
スコットランドには初上陸。会場は東部のダンディー郊外にありますが、実はここまでイングランドのロンドンから陸路で来たんです。前週火曜日(10日)にシンガポールを経由してヒースロー空港に到着。レンタカーを借りて、約800kmの道のりを走ってきました。
その間、遊んでいたわけではありません。英国のリンクスコースでほぼ毎日、違ったコースで練習を重ねてきました。イングランドでも、スコットランドでも、1800年代にできたコースばかり。歴史好きの自分にはたまらない経験でした。
立ち寄ったグラスゴーの近くでは、1860年に「全英オープン」が行われたプレストウィックGC(1925年まで開催地だった)を訪れました。距離は短いのですが、ティからピンが見えないホールも多くてとてもトリッキー。思わず、コースのロゴが入ったキャディバッグを購入してしまいました…。ちなみにプレーフィはメンバーでないゲストは約5万円! でもプロの資格があると無料だったんです。
そして、ゴルフ発祥の地であるセントアンドリュースでもプレー。午後6時前に当地について、飛び込みで最も有名なオールドコースを回ることができてビックリ! まあ、一緒にプレーした現地の方が、僕が全英に出ることを知って本当に驚いていましたが…。スコットランドは夏場の日が長いため、ホールアウトが迫った午後10時過ぎの風景が何ともいえず美しかった。
「全英オープン」は小さい頃から一番の憧れの試合でした。「マスターズ」よりも、「全米オープン」よりも、僕はこの大会で優勝したいと思ってゴルフを続けてきました。今回、この場所に両親と一緒に来られたことを、まずうれしく思っています。
今週は4日間プレーできることに越したことはありません。ただし、リンクスでの結果には運と不運がつきもの。ゴルフで旅を続けてきて、先週から英国で練習を重ねてきて、改めてそう思わされています。25歳になって初めて迎える海外でのゲーム。結果を出したいという思いに左右されて、小さくならないようにプレーしたいと思います。(スコットランド・カーヌスティ/川村昌弘)