「いま僕はココにいます」Vol.18 スイス後編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・24歳。2012年のプロデビューから5年間で巡った国の数は20以上。活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。世界を旅することこそが、幼い頃からの夢だった。傍らにはキャディバッグと小さなスーツケース。ゴルフで旅する渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、クラン・モンタナから日本に帰ってきました。
旅好きになった原点ともいえるスイスでの試合、欧州とアジアンツアーの共催試合「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」は予選落ちに終わりました。思い入れの強い試合だっただけに残念な結果になりましたが、シーズンはまだ続きます。14歳のときに見た景色をまた胸に刻んで、ぜひ戻ってきたいと思います。
今回はクラン・モンタナについて改めて記したいと思います。標高1500mの高地にある会場のクランスシュルシエレGCでは今年、大会が71回目の開催となりました。これは「マスターズ」の舞台、オーガスタナショナルGC(米ジョージア州)の81回に次いで、同一大会を世界で2番目に多く行っていることになるんです。
冬はスキー、夏場はゴルフが盛んなこの地域では期間中、街全体が選手を歓迎し、大会を盛り上げてくれます。何十階建てといった大きなビルがないため、各選手は様々なホテルに宿泊します。ラウンドを終えると、パブやレストランで、コースで会ったスタッフや関係者と再び顔を合わせることに。ローカルな空気を存分に楽しめる、こんな雰囲気が僕は大好きなんです。
ちなみにホテルのお値段はとても高くて…今回はキャディを務めてくれた福井工大福井高時代の後輩、ロンドン在住の金井兼信くんと同部屋に宿泊しました。それでも1泊約3万円するんですから…。
遠征を終えて僕はいったん、日本の「ANAオープン」からリスタート。後半戦も頑張りたいと思います。
<今週のランチ>
ヨーロッパらしくチーズフォンデュを食べました。後輩のリクエストもあって…。パンをくりぬいた器が独特。こちらはシャンパンを入れるらしいですが、正直言って日本で食べる方が僕の口には合ったかも。40フラン(約4582円)でした。