「いま僕はココにいます」Vol.62 スペイン&ジブラルタル編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・26歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、6年間のプロ生活で巡った国の数は実に40に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、マラガにいます。
今週は欧州ツアー「アンダルシア バルデラママスターズ」に出場します。ここはスペイン、イベリア半島のほぼ南端。会場のレアル・クラブ・バルデラマは、ホストを務めるセルヒオ・ガルシア(スペイン)の大の得意コースとあって、やはりショットメーカー向き。多くのホールが木々でセパレートされ、グリーンも小さく、タフな戦いになりそうです。
今回はコースから自動車で約20分、ビーチ近くのホテルに宿泊しています。実はすぐそばは“外国”です。英国領のジブラルタル。面積はわずか6.8平方km(東京23区で面積最少の台東区で10.11平方km)、車に乗って30分ほどで一周できる小さな地域です。
さっそく練習前に足を運んできました。ジブラルタルは海峡沿いの巨大な岩山が有名で、ケーブルカーで上にのぼることも。半島の中で最もアフリカに近く、灯台の先には海を隔てて、モロッコの山も望むことができました。
さて、6月25日(火)に26歳になりました。当日は欧州ツアーの先輩でもある谷原秀人選手が手配してくださった地中海料理のレストランでお祝いしていただきました。宮里優作選手、そして応援にいらした宮里藍さんも19日(水)がお誕生日。にぎやかなバースデーパーティーになりました。
藍さんにお会いしたのは2007年のフランス以来でした。当時、僕は中学2年生。米女子ツアー「エビアンマスターズ」のジュニア大会に出場し、本戦でプレーされていた藍さんと初対面しました。あのときスイスとの国境沿いで見た、アルプス山脈の美しさ、ゴルフコースの魅力にとりつかれて、今の自分があります。
「きれいな景色を見ながらゴルフをしたい」、「あそこから写真を撮ったらキレイだろうなあ」。そんなモチベーションが12年の間、変わっていないことを感慨深く思います。ゴルフはきっと、うまく行かないことの方が多い。現実に打ちひしがれて、心が折れそうになるときもあります。けれど、あの時の気持ちを持ち続けて、ことし欧州ツアーでスタートを切れたことを改めて喜ばしく感じます。
〈今週のランチ〉
ジブラルタルのカフェで食べた朝ごはん。ツナエッグマヨサンドとカプチーノをいただきました。ここはイギリスですから、5ポンド(約683円)。ただし、スペインと同じようにユーロも使えます。