2022年 イタリアオープン

「いま僕はココにいます」Vol.150 イタリア編

2022/09/15 08:44
マルコ&シモーネGCはローマの北東にあります

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・29歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、ローマにいます。

ロンドンからは直行便でローマに

欧州ツアー(DPワールドツアー)は今週、イタリアのナショナルオープンです。「DSオートモビルズ イタリアオープン」は今年で79回目の開催となる伝統の大会でもあります。

来年ライダーカップが行われるイタリアのコースです

ローマ中心部から北東にあるマルコ・シモーネGCは、アップダウンのあるトレンドのデザインが特徴のコースです。バンカーの縁がギザギザで、視覚的なワナもたっぷり。来年の欧州と米国の対抗戦「ライダーカップ」の会場でもあり、準備が着々と進んでいる様子です。5位で終えた昨年に続いて上位進出を目指します。

やっぱりイタリアン。ラビオリ

さて、前週ロンドンでの「BMW PGA選手権」では珍しい、歴史的な一週間を過ごしました。エリザベス女王の逝去によって試合が大幅なスケジュール変更を余儀なくされました。

大会初日の8日(木)、午前6時50分と早朝スタートだった僕は第1ラウンドを「68」と、まずまず良いスタートを切ることができました。ところがコースからレンタルハウスに帰ると、ツアーから女王が亡くなったというお知らせメールを受信したのです。

両サイドにはネーティブエリアが

そして午後6時過ぎの続報で、「試合を中断する」という連絡が来ました。この季節のロンドンは7時半くらいまで明るいため、コースの付近だけ天気が悪いのかなとも思ったのですが、理由はもちろん国全体が喪に服すため。夜の内にはさらに「大会2日目はコースもクローズ。練習もできません。今後の対応は英国デジタル・文化・メディア・スポーツ省との協議の上に決定します」という通達が来ました。

ドルチェも忘れず

個人的には直前までの2週でスイス、デンマークと渡り歩き、疲労もたまっていました。それでも予期せぬ休養には「この試合自体が中止になるのでは」という心配があったのも事実です。食事を取ってゆっくりした金曜日。その午後に大会を3日目に再開し、54ホールの短縮競技になることが決まりました。

3日目のコースでは午前9時50分から2分間、黙とうをささげる時間が設けられました。すべてのプレーが中断され、僕はちょうどスタート前の朝食の最中に、プレーヤーズラウンジで起立。現地で、一生に一度あるかないかという体験を通じて女王と王室が英国にとっていかに大切な存在なのかということを、身をもって知ることができました。

次週もナショナルオープン。次はフランスです

2022年 イタリアオープン