「いま僕はココにいます」Vol.121 イングランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はロンドンにいます。
今週はイングランドでの欧州ツアー「カズークラシック」に出場します。正確に言うと、ココはロンドン中心部からは20㎞以上離れた南東の郊外、ケントという街。9日(月)にスコットランドのエジンバラを午前9時に出発した車の旅は、渋滞もあって到着は午後8時というロングドライブになりました。
フェアモントセントアンドリュースで行われた前週の「ヒーローオープン」では予選通過圏外でスタートした後、残り3日で巻き返して16位でフィニッシュしました。最終日にマークした「64」は英国のリンクスコースではベストスコア。バーディをもっと獲れたようなプレーで、良い内容のゴルフができました。
今週の会場、ロンドンGCは先日のオープンウィークにプライベートでプレーしたコースのひとつです。名前からして伝統的なゴルフ場…と思いきや、ジャック・ニクラスが設計に携わった、比較的、新しいつくりの18ホール。
フェアウェイが広く(その両サイドはブッシュの景色ですが…)、池もありますが、ドイツなどで経験してきたような、シビアなアングルではないところが多い印象です。ロンドンを訪れたアマチュアゴルファーの方も楽しめそうな雰囲気。それだけに、大会はコンディションが良ければスコアの伸ばしあいになりそうと予想しています。
7月上旬から続いた英国での連戦は今週でいったんおしまい。新型コロナウイルス感染拡大の影響で“バブル”生活が続いていましたが、すでに10日以上英国にいる僕たちは、コースとホテルとの往復以外の外出も認められるようになりました。
プロアマ戦の出場メンバーでなかった開幕前日は、午前中に近くを散策。落ち着いたカフェを見つけて一息つきました。実はボクシングジムの一画でカフェスペースをオープンしているという、なんとも変わったロケーション。小川のせせらぎと小鳥のさえずり、そしてパンチを打ち合う音が入り乱れる不思議な空間…ではありますが、日常が少しずつ戻ってきている実感も湧いてきます。