「いま僕はココにいます」Vol.102 アラブ首長国連邦編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・27歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、9年間のプロ生活で巡った国の数は実に70近い。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いまぼくはドバイにいます。
2020年、最後の試合を迎えます。欧州ツアーのシーズン最終戦「DPワールド ツアー選手権 ドバイ」にやってきました。年間ポイントレースである「レース・トゥ・ドバイ」のランキング上位60人など、トップ選手が集まる試合に初めてたどり着きました。
南アフリカでの「アルフレッド・ダンヒル選手権」を終えて、前週のオープンウィークもドバイで過ごしました。もちろんコロナ禍で以前のようではありませんが、ほとんどの人がマスクを着用し、そこら中にアルコール消毒液が置いてあり、お店に入るときには検温を行うなどして徐々に日常に戻りつつあります。
ビックリしたのが、スターバックスコーヒーやステーキハウスなどのレストランの店内に、飛沫防止用のアクリル板(パーテーション)が、あまりに多く設置されていること。欧州ではソーシャルディスタンスを保つよう、テーブルの上にバツ(×)マークを記して空席を作る店舗ばかりでしたが、こちらはあらゆるスペースが透明なアクリル板で仕切られています。しかも、板にお店のロゴまでプリントされていたりして…。オイルマネー、お金の力ってスゴイ…。
そして今週の選手・関係者用宿舎がこれまたスゴイ。大会でもPRされていますが、アラビア湾を望むドバイの象徴ともいえる5つ星ホテル、アトランティス・ザ・パームの部屋が用意されています。しかも、宿泊費はタダ!!
今回、数えてみたら、7月に日本を発ってから約5カ月間で33の宿泊施設を利用したことになりました。つい先日の南アフリカのローカルコテージから、こんな超高級リゾートも利用できるのも、欧州ツアーならではかもしれません。
<今週のコース>
UAEではこれまで「アブダビHSBC選手権」、「オメガドバイデザートクラシック」に出場してきましたが、いよいよ最終戦の地であるジュメイラ・ゴルフエステーツでのプレーです。会場のアースコースは7675yd(パー72)。まず、距離がたっぷりあります。最終18番(ぱー5)は620yd、しかも打ち上げで、風によっては第2打に300yd以上残ることもザラにありそう。そして、フェアウェイバンカーが深いのが難しい。とにかくコース全体の手入れが行き届いており、最終戦にふさわしいコンディションです。
23位だった前の試合「アルフレッド・ダンヒル選手権」のコース(南アフリカ・レオパルドクリークGC)もツアー屈指の難しさを誇るため、個人的に心構えは同じ流れをキープできると思います。米ツアーからもパトリック・リードやコリン・モリカワといったトップ選手たちとも競えるのがうれしくてたまりません。