「いま僕はココにいます」Vol.85 カタール編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・26歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、6年間のプロ生活で巡った国の数は実に40に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、ドーハにいます。
今週は欧州ツアー「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」に出場します。中東での連戦はこれで最後。前週のオマーン・マスカットから、ドーハまで直行便でやってきました。
例によって、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、通関時にはパスポートを見せた後に別室に“お呼ばれ”…。オマーンのときと同様、これまでの旅の経路を詳しく聞かれました。無事に通過できて、コースではイタリアのアンドレア・パパン選手(家は米国ダラスにあるらしい)と練習をしたのですが、彼らも大変みたい。実際に入国できなかったイタリア人選手もいて、プロを現地で待っているキャディが頭を抱えていました。とにかく早く事態が収まって、ツアーでの日常に戻ってほしく思います。
今年は開催コースがエデュケーションGCに変更されました。歴史のある、クラシックなドーハGCが好きだったんですが…。こちらは2018年にできた最新のコース。ホセ・マリア・オラサバル(スペイン)の設計で、砂漠地方でよく見られるワイドなテイストです。
エデュケーションシティはドーハの新興地域で未完成の街。駅やビルが続々とつくられています。2022年にはカタールでサッカーのワールドカップを開催。建設中のサッカー専用スタジアムも見えました。
〈オマーンでの寄り道〉
前週の「オマーンオープン」は残念ながら予選落ち。週末が空いてしまったので、マスカットの宿泊ホテルから1時間半レンタカーを走らせて、名所の「ビマ・シンク・ホール」に行ってきました。ネットで調べると、なんでもオマーンの三大オアシスのひとつだとか。道中も岩山ばかりの雄大な大自然を見ることができ、ココも予想していたよりすごくキレイ。自然の神秘でできた陥没穴だそうです。透き通った地下水を泳いでいるのは、天然の“ドクターフィッシュ”。ヒトの肌の角質を食べてくれる小魚たちがいました。