佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第四十五回】
■ 「トゥルーサウスクラシック」の歴史
1968年「マグノリアステートクラシック」として始まる。1986年には「デポジットギャランティゴルフクラシック」、1999年「サザンファームビューロークラシック」、2007年「バイキングクラシック」、今年から「トゥルーサウスクラシック」と大会名称を変更している。1993年までは賞金ランク対象外、1994年から公式大会となる。2007年ではフォールシリーズ2戦目、2009年は同シリーズ4戦目に移行し、2011年から「全英オープン」と同週開催となっている。
■ 初優勝者の多い大会
「トゥルーサウスクラシック」は初優勝者が多い試合だ。もともとは賞金ランク対象外だったり、フォールシリーズに組み込まれてしまったりとなかなか恵まれなかった大会と言っても過言ではない。しかしこの大会の特徴として、メジャー大会の裏試合で、強豪らがフィールドから外れることもあり、これまで優勝経験の少ない選手が参加によって初優勝者が多いのである。その傾向は、年を追うごとに強くなり、選手たちも「俺だって!」と続こうという気持ちになる。過去18回をさかのぼっても、半分の9大会で初優勝を飾った選手が続いている。昨年の大会を制したクリス・カークもツアー初勝利はこの大会だった。
またこの大会は穏やかでない天候の日が多いのも特徴だ。2009年の大会では、初日から雨天が続き、サスペンデッドが大きく影響するなど、トーナメントが成立せずにキャンセルとなった。さらに2011年大会では、同じく悪天候で第2ラウンドがサスペンデッドにとなるなど、なかなかスムーズに開催される年は少ない。ここアナンデールGCは、風が強く、池がらみのホールが多い上、土地が低く、湖畔に位置しているために雨が降ると弱いコースである。
今大会はフォールシリーズから、レギュラートーナメント期間に組み込まれた。フォールシリーズよりはレギュラーシーズンのほうが格としては高く、出場選手には強豪がそろう。ただこの時期(季節)に開催となってしまったことだけは不運というか(笑)、なかなか恵まれないところが、ちょっとだけかわいそうな気がする。ただそういったことも含めて歴史を積み重ねていくものだし、先に話した優勝者の傾向も、過去を踏襲する部分がありながら、どこかで変わってしまうタイミングもあるかもしれない。これから、この試合がどのように成長していくかも楽しみのひとつである。初優勝を狙う選手たちが、ここまでの歴史を振り返りながら、気持ちを鼓舞して臨む試合。だから選手たちも闘志むき出しで挑み、熱い気持ちが表れるそんな大会である。