トム・キムが五輪でジャスティン・トーマスモデルのスコッティキャメロンパターを投入
オリンピックはスポーツ界最大の舞台の一つである。アスリートたちは各分野で頂点を極めるべく、4年の修練を積む。微細なディテールの調整も怠らない。しかし、トム・キムはその限りではないようだ。彼はゴルフ競技の第1ラウンドに、真新しいスコッティキャメロン ファントム9.2パターで臨んだ。
22歳のキムはPGAツアーのキャリアほとんどをプレード型で過ごしてきたが、他のスタイルに乗り換えたこともある。ル・ゴルフ・ナショナルでも予定外の変更を行い、5アンダーの「66」を叩き出した。グリーンがソフトで好スコアが続出したこの日、彼のスコアを上回ったのは「63」の松山英樹、「65」のザンダー・シャウフェレだけだ。
第1ラウンドのストロークゲインド:パッティングは19位(1.042)で、シーズンを通した97位からはかなりの向上だ。ティショットがトラブルを招いたパー3の16番で8m弱のパーパットをねじ込むなど、5バーディ、ノーボギーにまとめ上げた。
初日のラウンド後、彼は新しいパターの手応えを語った。
「ボールに対してこれまでとは違うフィーリングを与えてくれる。もちろんこのパターでたくさん練習したし、断然良いパフォーマンスを示してくれた。でも、正直言って予定していたわけじゃなく、偶然の産物でね。このパターは全英後に送られてきて、まだ変更するつもりはなかった。ただ、従来のパターよりパフォーマンスが良かったので、変更は理に適っていたんだ」
大会のストロークゲインド:パッティング92位で予選落ちした「全英オープン」から五輪まで残り1週間。そのタイミングで、「ジェネシス スコットランドオープン」でジャスティン・トーマスが実戦投入して初めてヘッドラインを飾った新しいパターのテスティングを開始した。
スコッティキャメロンの選手担当であるブラッド・クローク氏は「このマレット型は、我々のファントム9シリーズですが、他の選手から影響を受け、プランバーネックになっているため『9.2』と呼ばれています。我々がジャスティン・トーマス用に組み上げ、2週間ほど前に大きな話題となったセットアップとかなり似ています。トムはこのパターが気になり、ジャスティンのパターで試した上で、どちらかと言うとオフシーズンのテストへ向け、我々とコミュニケーションをとっていました」と語る。
キムがブレード型からマレット型へすんなりと移行する上で大きな役割を果たしたファントム9.2の主要な特徴は、伝統的なブレード型の多くに採用されているプランバーネック構造にある。
「プランバーネックは大きな要素であり、これがトムにとっては、(ブレードとマレットの)両方の良いとこ取りになります。ブレード型を使っていた彼に親密さを与えつつ、マレット特有の寛容性とフレーミング要素も与えるのです」とクローク氏。
キムは昨季初めて「ツアー選手権」出場を果たしたが、この新パターがフェデックスカップランキングのトップ30入りへ起爆剤となるかもしれない。彼は現在40位で、3大会で構成されるフェデックスカップ プレーオフまで、残りは来週の「ウィンダム選手権」しかない。
とは言え、この若きスター選手は当面、金メダル獲得に全神経を集中させている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)