理想の一本がついに? ジャスティン・トーマスが新プロトパターで首位発進
ジャスティン・トーマスが理想のパターを探しているのは、誰もが知っていることである。今年は数々のスコッティキャメロンを徹底的に研究しており、そのうちのいくつかは彼のストロークやパスに合わせて調整されたものだったが、中には他のゴルファーにより試用され、テストされたものもあった。
トーマスは「メモリアルトーナメント」を前に、近隣のガソリンスタンドで世界ナンバーワンアマチュアのゴードン・サージェントから実戦使用パターを預かり、テストしたことさえあった。しかし、新しいパターが起爆剤となり、「ジェネシス スコットランドオープン」の初日に8アンダー「62」をマークしたところを見ると、もしかしたら探し求めていた一本と出会えたのかもしれない。
大西洋の反対側へ渡るにあたり、トーマスは答えを模索していた。ツアーにおけるストローク・ゲインド・パッティング(スコアに対するパットの貢献度)を157位としていたトーマスは、親友のジョーダン・スピースの影響を受けた、これまで見たことのないスコッティキャメロン「ファントム9.2ツアー」のプロトタイプパターを初めて実戦投入した。
「そうだね。面白いことに、スコッティキャメロンのポール・ビザンコがジョーダンのために作ったパターを見たのが発端だったんだ。単に彼がいじってみて、気にいるかどうか確認するためのパターだった。その期間中、何度かジョーダンと一緒になることがあって、僕も握ってみたのだけど、かなり素晴らしい見た目だったんだ。感触も最高だと思ったね」とトーマスは述べた。
「ポールには、組み上げられたパターには、僕のストロークの中の悪い傾向を大幅に正してくれる特徴がいくつもあるようだと話した。それで、僕のために1本組み上げて送ってもらえなか聞いてみたんだ。このパターの感触は最高だよ。初日に良いパフォーマンスを見せてくれたので、今後も続いてくれればと思っている」
トーマスは木曜にストローク・ゲインド・パッティングで3位にランクイン。2017年のフェデックスカップ王者は、合計113フィート(約34.4m)以上のパットを沈めた。中でもカップの底へ消えた瞬間にガッツポーズを繰り出した、17番の11フィートのダブルブレーク(約3.6mのスネークライン)を読み切ったパーセーブは最も重要なパットとなった。
ラウンド後、トーマスは「今日はとてもソリッドなプレーができたし、あの17番のパーパットは大きかった。ボギーフリー(ノーボギー)で回るのは大好きだから」と述べた。
新しいファントム9.2ツアープロトタイプは、「ファントム9.5」のヘッド形状に似ているが、より角が丸みを帯びたデザインとなっている。トーマスはこれまでキャリアの大半を通じ、デュアルウィング形状のスコッティキャメロン「X5ツアー」と「T5」プロトタイプをお気に入りとしてきたが、スコットランドで投入した新しいプロトタイプもその路線を継承している。このパターは、トップに単一のアライメントラインが入っており、マットスチール仕上げとなっている。
「月曜、火曜、そして水曜は、とにかく芝の上での感触や、ボールの転がり方に順応させるために時間を費やした。できるだけ多くのパットを決めるように努めたんだ」と、トーマスはグリーン上で行った調整について語った。
トーマスは1番でバーディスタートを決めると、5番から8番にかけて4連続バーディを奪い、5アンダーでハーフターンした。10番、12番、13番もバーディで8アンダーまで伸ばし、初日のリーダーとしてクラブハウスへと引き上げた。
トーマスによる初日8アンダーは、初日トップに立った2021年の「セントジュードクラシック以来。ちなみにその週、リバティナショナルでの大会を4位タイで終えている。トーマスは今季、トップ10入りを5回果たしているが、いずれも勝利には結び付けてられていない。
木曜にトーマスがデビューさせたクラブは、ファントム9.2ツアープロトタイプにとどまらなかった。スタートダッシュを決めたトーマスのバッグには、「メモリアル」でお披露目されたタイトリストの新シリーズである「GT2ドライバー」が入っていた。シャフトは三菱ケミカル「ディアマナZF」60TXが装着されている。
「今日の僕のように、ほぼ一日中ドライバーの調子が良ければ、短いクラブを握ることが多くなるからね。それで、僕はピンしか見ていなかったんだ」
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)