ブライアン・ハーマンが7年前の市販パターを使い続ける理由
「全英オープン」王者のブライアン・ハーマンは、古いゴルフギアを使いこなしている。実際、今回の話の要点はそこにある。ハーマンは機能するもので、快適に使えるものを見つけると、それを使い続ける傾向にあるのだ。
ハーマンはGolfWRX.comに対し、「新しい製品は最高のものであってほしいと思うものだし、大体はその通りだけど、僕はかなりの石頭なので、いつも一筋縄ではいかなくなる。ひとたび機能するものをゲットしてしまうと、それをバッグから抜くのは難しくなってしまうんだ」と述べた。
その言葉通り、ハーマンはいまだにタイトリス「TSi2 ドライバー」(2018年)、タイトリス「TS2 フェアウェイウッド」(2020年)、そしてタイトリスト「620 CBアイアン」(2019年)を使用している。
パターとなると、もっと古い。
ハーマンの「全英オープン」優勝パターであるテーラーメイド「OS CB スパイダー」は、2016年に一般向けにリリースされたもの。OSとは“オーバーサイズ”の略であり、アドレスでのヘッド形状を見れば、その名前の由来は一目瞭然である。
この大型パターのデザインには寛容性向上の狙いがあり、後部のデュアルウィング形状には、フェースから遠い位置に重量を配分する意図がある。また、ホーゼルはダブルベンド構造となっており、これによりハーマンが好みとするフェースバランスに全体が仕上がっている。トウハングのパターと比較すると、フェースバランスのパターは、パッティングのストロークがアーク型ではなく、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ打ち出すスタイルのゴルファーに適している。
最近GolfWRX.comに語ったところによると、ハーマンは普通のゴルフショップで最初の同パターを入手したそうだが、最終的にはエポキシ樹脂の接着が剥がれたため、2代目と取り替えなければならなかったとのこと。
彼は初代のパターを購入してから数年後に新しいものに替えており、その後、2代目のパターに対しても、通常の磨耗や劣化により何度かフェースのインサート交換を行っている。しかし、そうした調整や、ごく短期間のパター変更による試行錯誤を除くと、同パターはずっと彼のバッグに収まり続けてきた。
ハーマンはGolfWRX.comの取材で、「ここ6、7年で、このパターをバッグに入れずに過ごしたのは、わずか2週間ほどだね。一瞬、別のものに替えたことはあるし、フェースは2、3度交換している。これは市販のオーバーサイズで、僕は常に大型で慣性モーメントの高いパターを好んできた。フェースバランスのパターだね。万人向けというわけではない。多分、僕はどんなパターでもパットすることはできると思うけれど、僕はこいつの世話になっているんだ。特に今はそうだね」と述べた。
ただでさえゴルフクラブを替えることに関して“石頭”を自称するハーマンだけに、グリーン上でフィールドに対し2.85ストローク差をつけて「全英オープン」を制覇したのだから(10フィート以内は58/59の確率でカップイン)、今のところ他のパターを使うことは、ほぼなさそうである。
ハーマンのロジックに従えば、すでにこのパターが機能することを知っている以上、変更する理由がどこにあるのだろうか?
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)