2022年 ザ・RSMクラシック

シンプソンがオーダーメイドの新アイアン「タイトリスト 682.WS」をテスト

2022/11/19 13:36
ウェブ・シンプソン ※写真は2022年「全米プロ」(David Cannon/Getty Images)

使用する用具のこととなると、ウェブ・シンプソンはかなりの目利きであり、優れた手の感触を持っている。彼は使用するアイアンに求める感触について、はっきりとしたこだわりを持っているが、近年は好みに関する全項目にチェックの入ったセットを見つけられずにいた。

過去1年だけを見ても、シンプソンは「T100」、「620 MB」、そして「680フォージド」と、タイトリストの異なる3つのアイアンセットを使用した。

タイトリストのツアーレップであり、タイトリスト契約選手たちの用具に関する要求に応えているJ.J.ヴァンウェゼンベックは、シンプソンがこの3種類のモデルに関して、それぞれ異なる部分を好んでいた(そして嫌っていた)と述べた。

「ザ・プレーヤーズ」と「全米オープン」制覇を含むツアー7勝のシンプソンは、680フォージドが2003年に登場して以降、断続的にこのアイアンを使用しており、彼はこのアイアンの形状と多めのオフセットに最も満足している。2019年に発売された620 MBは、よりコンパクトでオフセットの少ないモデルとなっており、シンプソンは680の方の形状を好んでいる一方、620のサイズを気に入っている。他方で、2021年にリリースされたT100は現代的なキャビティバック構造となっており、シンプソンはブレード型のデザインをより好んではいるものの、T100のソール形状と溝、そしてラフでのパフォーマンスを気に入っているのである。

彼は理想のアイアンを見つけられずにいたので、タイトリストは何かと引き換えに妥協し続ける代わりに、単にシンプソンにカスタム対応をしたプロトタイプのアイアンを与えることにした。

シンプソンの「682.WS」(提供:GolfWRX)

「ザ・RSMクラシック」開催週の火曜日に、シンプソンはこれまで使用してきた680フォージド、620 MB、そしてT100アイアンのいいとこ取りをした新しい「682.WS」アイアン一式を披露した。このアイアンセットは、特別なタイトリストの機械を使い、彼の好みに完全に合うように製作されたのである。

とは言え、受け取った直後の週であり、シーアイランドでは風が強まるコンディションが予想されることから、シンプソンはGolfWRX.comに、恐らく新しいアイアンの実戦投入は見送ることになりそうだと述べた。

「僕はブレードの見た目とセットアップが欲しかったのだけど、新しい溝も欲しかったんだ」とシンプソンはGolfWRX.comに言った。「これにはT100のような溝が施されているんだ。僕はT100で上手くラフから脱出できていたのだけど、それでもブレードの見た目と打感が欲しかったので、(タイトリストは)それを一つのアイアンにまとめてくれたんだ。これは(680フォージドと)ほとんど同じ見た目なんだ。全てJJのアイデアだね。彼はこれを思い付いたので、僕のために特別プロジェクトを立ち上げてくれたんだ。とても興奮しているよ。次の大会では絶対に実戦投入となるね。とても美しいし、カッコイイんだ」

これまで、こうしたカスタム対応のアイアンを手にしたのは、621.JTモデルを使用するジャスティン・トーマス、そしてかつて681.ASアイアンを使用したアダム・スコットの2選手のみだった。

そして今、シンプソンが自身のイニシャルの入った682.WSアイアンを手にした。

ヴァンウェゼンベックによると、このカスタムのプロジェクトは今年の「全米オープン」でスタートし、プロトタイプ製作の研究開発とシンプソンとのテスティングを重ね、最終的には今週の「RSMクラシック」でシンプソンに最終版が手渡される運びとなったとのこと。

5.5番アイアン(提供:GolfWRX)

この682.WSアイアンセットには、シンプソンの好む“5.5”番アイアンが入っており、これは5番と6番アイアンの中間のロフト角となっている。2022年「ザ・プレーヤーズ選手権」にて、シンプソンはGolfWRX.comに4本目のウェッジを入れて6番アイアンを抜いたことでできた飛距離のギャップを埋めるため、5.5番アイアンを使い始めたと明かしている。彼は7番アイアンのロフトを立てるかたわら、5番アイアンのロフトを寝かせて5.5番アイアンとしているのである。

好みのはっきりしているシンプソンが、遂に完璧なセットを手に入れた。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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