世界1位のスコッティ・シェフラーがスコッティキャメロンの新パターに変更
スコッティ・シェフラーによる前回のパター変更は、すぐに実を結んだ。彼はスコッティキャメロン スペシャルセレクトタイムレスツアータイプGSSプロトタイプを実戦投入した最初の大会で優勝すると、その後の5大会で、「マスターズ」制覇を含む3勝を挙げ、世界ナンバーワンへと上り詰めたのである。
シェフラーは今回の変更も、素早く結果につながることを期待している。現PGAツアー年間最優秀選手は、個人戦としては8月の「ツアー選手権」以来となる今週のサウスカロライナでの「ザCJカップ」で、新しいパターをバッグに入れている。
「通常、僕は全くもって用具を変えるのが好きではないのだけど、もう(この新しいパターは)使い始めて2、3週間ほどになるんだ」とシェフラー。「シーズン終盤にパットがかなり酷い感じになり、むらがあって不安定になっていたんだ。僕はいくつか異なる物を試していたのだけど、それは向上が望めない感じで、目隠しをしてダーツを投げるみたいに何かを模索していたんだ。時として、ボールに引いた線を合わせたり、時としてそれをしなかったりという具合に」
今週、シェフラーがバッグに入れた新しいパターは、新型のマレット型パター、スコッティキャメロンT-5.5 プロトだ。マレット型は、ここ数年のシェフラーが用いていたスタイルからの決別となるが、これは彼が「全米ジュニアアマチュア」を制するなど、成功を謳歌したジュニア時代のキャリアを思い起こさせるスタイルでもある。
なぜドラスティックな変更をしたのか?
「僕にとって、これはとても構えやすいし、より一貫性があるように感じられるんだ」とシェフラーは新しいパターについて語った。「今でも、自分の天井は同じくらいに感じている。このパターで絶好調になって、パットをいくつも決められる気がしているけれど、昨季は自分の底が低すぎる感じがしたので、これでその底が上がってくれればと思っているんだ」
先月の「プレジデンツカップ」では、シェフラーが米国選抜副キャプテンのスティーブ・ストリッカーからパッティングのアドバイスを受けている姿が目撃されており、彼はクエイルホローの練習グリーンで、日が沈んだ後も長年のコーチであるランディ・スミスとパットの練習をしていた。
「プレジデンツカップでは、自分の転がし方にハッキリとイラついていた」とシェフラー。「僕はラインに打ち出せていなかった。ボールに対して、心地よく構えることができていなかったんだ」
スコッティキャメロンのツアーレップ、ブラッド・クロークは、最近、シェフラーは自宅で同社が何年も前に彼に送ったマレット型のスコッティキャメロン フューチュラT5Wパターで練習していたことを明かした。T5Wパターを使うと安定してラインに打ち出せると感じたことから、シェフラーは先週になってクロークに、このパターのアップデート版がないかどうかを尋ねた。
そこで、スコッティ・キャメロンは、シェフラーが自宅で練習していたT5Wパターと同じ様にトップラインが黒い1本線で、後方フランジに白い2本線を入れた新しいプロトタイプのファントムX T-5.5パターを組み上げた。このシェフラーの新しいパターには、更なるカスタム化が施されており、トウ外側とヒールに“GRINDER”と“S.S.”の刻印が入っているほか、打感と打音をこれまで彼の使用していたGSSブレードパターの柔らかさに合わせるよう、フェースのミリングの溝を深くしてある。
クロークはマレット型ファントムのサイズと安定感が、シェフラーにとってラインに打ち出し易くしている要因になっているのではないかと述べた。
「ただ、私はこれが彼にとってラインに対して構え易く、ブレードよりもフレーミングが少し優れているところが重要なポイントだと考えています」と、クロークは火曜にGolfWRXに述べた。
2022年は4勝を挙げているだけに、シェフラーによるパター変更は驚きに感じられるかもしれないが、実際のところ、彼はストロークゲインドのスタッツが報告された直近9大会中6大会で、ストロークゲインド:パッティングをマイナスとしているのである(「ジェネシス スコットランドオープン」と「全英オープン」では、ストロークゲインド:パッティングのスタッツは報告されていない)。
シェフラーは2022年シーズンのストロークゲインド:アプローチ・ザ・グリーンとストロークゲインド:ティ・トゥ・グリーンをともに4位とするも、ストロークゲインド:パッティングは58位に終わっている。しかし、この新しいパターにより、彼は我々が春先に目の当たりにした快進撃を再現することになるかもしれない。もしそうなれば、世界ナンバーワンが再び連勝街道を突っ走る可能性が出てくるだろう。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)