2022年 WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー

5番アイアンが2本 金谷拓実の個性的なクラブセッティング

2022/03/29 07:55
元アマチュア世界ナンバーワンの金谷拓実(David Cannon/Getty Image)

「WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー」で金谷拓実は、戦前から陰のグループリーグ突破候補といわれていた(編注:最終成績はベスト16)。まだ23歳ながら、元アマチュア世界ナンバーワンは、すでに日本ツアーで3勝を挙げており、今年の「プレジデンツカップ」では、インターナショナルチームの代表候補の一人となっている。また、日本で開催された今季の「ZOZO選手権」で7位に入っており、日本最大のスターである松山英樹の東北福祉大学の後輩にあたる。

この期待の星のクラブセッティングについて掘り下げるべく、我々は彼のクラブフィッターであり、現在ピンで大学選手開発部長を務める(そしてタイガー・ウッズの大学時代のチームメイトでもある)ウィル・ヤナギサワに話を聞いた。

以下は、ヤナギサワが説明してくれた金谷のクラブに関する要注目の重要事項である。

1. 一度気に入った物は使い続ける

ドライバーと3番ウッド(Courtesy of GolfWRX)

金谷はまだ2019年に発売されたピンG410シリーズのドライバーフェアウェイウッド、そしてハイブリッドを使っている。

ヤナギサワによると、金谷は全ての新製品を試打するが、クラブにはこだわりを持っているという。打ち出し角は低いので、キャリーを稼ぐため、打ち出し角をより増加させるよう努めている。しかし、同時にスピン量を増やし過ぎないようにもしている。

どうやら、ピンG410シリーズは、見た目にもパフォーマンス的な好みとしても、まだ金谷のお眼鏡にかなっているようだ。

「彼はひとたび落ち着くと、それを使い切るんだ」とヤナギサワはGolfWRXに述べた。「彼はより良いクラブが見つかるまで、同じクラブを使い続けるんだよ。彼は常に全てのクラブを試打するし、我々も数字を計測するけれど、結局のところ、馴染んだクラブを使い続けることになるんだ」

それはパターにも当てはまることであり、金谷はアマチュア時代から同じピン シグマ2 アーナパターを使い続けている。なお、このモデルは特別ホーゼル仕様となっており、海外の限定された市場でしかリリースされなかったクラブである。

時として、パフォーマンスの伴う手馴染みの良さは、とにかく新製品へ乗り換える姿勢を凌駕するというのは、金谷からの教訓といえよう。

2. 異なる2本の5番アイアンを使用

5番アイアンが2本(Courtesy of GolfWRX)

同じ番手のアイアン2本を使うゴルファーというのは、お目にかかることは少ないが、金谷がそうするのには、特定の理由がある。ヤナギサワによると、アイアンの番手毎のヤーデージにかなり几帳面である。番手間の飛距離が離れ過ぎるのも近過ぎるのも好まない。

この2本のピンのアイアンは、両方ともソールに“5”と刻印されているが、これらは2本の異なるモデルのアイアンであり、それぞれ設計のパフォーマンス特性も異なっている。

彼のピンi210の5番アイアンは、上級者向けであり、わずかながら寛容性が備わっている。このクラブはキャビティバック構造で、周辺重量配分により、ミスヒットに対する寛容性が増しているが、形状はコンパクトでオフセットは少なく、トップラインは薄い。金谷のこのクラブのキャリーは、210ydとなっている。

230yd飛ばす5番アイアン(Courtesy of GolfWRX)

それに引き換え、彼のピンG710の5番アイアンは、どちらかと言うと飛び系の部類に入り、フェースは打ち出し角とキャリーの飛距離を上げるため高初速設計になっている。G710は同じ5番アイアンながら、i210の5番アイアンより高く遠くへ飛ぶよう設計されている。彼はG710の5番アイアンで230yd飛ばす。

アマチュアゴルファーにとって、バッグに入っている全番手の飛距離を計測し、各番手が正確にどれくらい飛んでいるかを把握するのは重要なことである。2本のクラブの飛距離が変わらないということも、十分にあり得る。その場合、片方のクラブを別の物に替える方が良いだろう。同じ役割を果たすクラブを2本持っていても意味はないのだから。

3. 58度と60度のウェッジ

2度違いのウェッジ(Courtesy of GolfWRX)

金谷のウェッジで最もロフトが寝ているのは、ピン グライドフォージド プロの60度ウェッジだが、これは58度のサンドウェッジと2度しか違わない。「そんなにロフトの近いウェッジを2本持っている意味はあるのか?」と疑問が生じるかもしれない。

金谷は60度のウェッジでフルショットを打たないのである。距離のあるショットは、少しばかり簡単で、フルスイングでの寛容性に優れる58度で打つ。60度ウェッジをさらにロフトの必要なグリーン周りのショット専門で、バッグに入れている。

「彼はグリーン周りでの特定のショットを打つために60度を持っているんだ」とヤナギサワ。「金谷は卓越したショートゲームのプレーヤーだ。ワールドクラスというのが、私の見方だ。フルショットとチップショットの大部分で58度を使うが、グリーン周りの特別なショットでは60度を使う」

アマチュアにとっては、自分のウェッジのセッティングをじっくりと見つめ直し、なぜそのウェッジをバッグに入れているかについて再考することが重要である。場合によっては、ロブウェッジを外し、より距離のあるショットが簡単に打てるクラブに置き換えた方が、良い結果につながるかもしれない。ロブウェッジは専任クラブであり、必須クラブではないというのは、覚えておくべきだろう。

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

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