WGCタイトルで深まる自信 ビリー・ホーシェルの目標
ビリー・ホーシェルは3月の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」でPGAツアー通算6勝目を飾った。ツアーのプレーヤーが執筆するスペシャルコラムシリーズは今回、その34歳が担当。これまで培ってきた自信と今後のキャリアの展望について語った。
やっと世界選手権で優勝することができた。本当にうれしい。僕のチーム全員が全力で取り組んできて、結果が出るまでには少し時間がかかったけど、とにかく素晴らしい気分だ。ゴルフというスポーツはいつ優勝できるか想像もつかない。日々努力をするしかない。僕にはその自信はあるし、これからもそうするつもりだ。
WGCのタイトルには大きな意味がある。PGAツアーではフェデックスカップチャンピオンにもなったが、WGCやメジャーでこれまで優勝争いがなかなかできなかった。僕を知る人は、結果が出ない自分自身に厳しいことも知っている。ただ過度に考え過ぎることで、安定してプレーすることがこれまでできていなかった。
キャリアで浮き沈みも経験して、少し自分に甘くするようにした。その成果も出て、ようやく結果につながったのはうれしい。僕はブルドッグのようにアグレッシブで、一生懸命戦うし、決してあきらめない。優勝を遂げる道筋があるといつも思っているし、精神力が良いプレーをさせてくれると思う。
オースティンでのマッチプレーは、気持ちを入れ替えて迎えた。「プレーヤーズ選手権」の後、自宅にゴルフクラブを置いて家族でオフを過ごした。家族、子どもたち、伯父に叔母、いとことその子どもたちみんなで最高の時間を過ごしてリフレッシュした。7日間クラブを握らなかったし、練習も全然しなかった。ゴルフクラブを持っていかない家族旅行なんて今までしたことがなかったと思う。みんなで最高の時間を過ごすことができた。
ダスティンやマキロイとの違い
今年、僕にとっての大きな変化は結果を気にせず、過程を重視するようにしたことだ。結果はその過程からしか生まれない。2月のWGCコンセッションも良いゴルフをしたが、あの時は僕の試合ではなかっただけだろう。
僕は自分もきっと世界のトップ相手に戦う素質があるといつも感じてきた。ダスティン・ジョンソン、ロリー・マキロイやジャスティン・トーマスとの違いは安定性だろう。安定感に欠けることで、パワー、技術、メンタル面から自分にプレッシャーをかけてしまっていた。コーチのトッド・アンダーソンと僕は取り組んできて、成長が見られている。今年はメジャー大会で優勝争いができると願っている。
もちろん、「ライダーカップ」のメンバーにも入りたい。普段と違うフォーマットの大会、団体戦で僕は過去に好成績を残してきた。「QBEシュートアウト」や2018年にスコット・ピアシーと一緒に優勝した「チューリッヒクラシック」がそうだ。チームメートとのプレーが大好きだ。アマチュア時代も「ウォーカーカップ」や「パーマーカップ」でプレーした。米国を代表してプレーすることは喜ばしい。
今後の目標はPGAツアーで「あと5勝」。キャリアで2ケタ勝利ができて、そのうちのタイトルがメジャーや「プレーヤーズ」だったら最高だ。メジャーではトップ5フィニッシュが1度だけだから、こんなこと言うのは馬鹿げているかもしれない。でも、僕には可能性があると思う。
チャリティにも積極的
ただ、そのキャリア以上に大切なことはゴルフを通じて社会に影響を与えることだ。妻と僕はいつも、自分たちの環境に感謝している。2014年には地元のフロリダのチャリティ団体をサポートした。州北東部の地域に食糧が十分に提供されることを目指している。世の中には“次の食事がいつなのか”と心配している家族や子どもたちがたくさんいる。ここ5、6年で約50万ドルを寄付できて良かったと思うが、僕たちのコミュニティ全体に意識を植えつけるまでの道のりは長い。
4年前からはアメリカン・ジュニアゴルフ連盟(AJGA)の大会をサポートしている。僕と妻はジュニアのとき、AJGAの大会でプレーした。その大会を支援することで、ジュニア選手が大学のコーチたちに評価され、進学して教育を受けられる機会を作ることができたら何よりだと考えている。