2014年 ライダーカップ

目立たないのが心地いい 静かな闘志で挑むカーク

2014/09/13 10:28

By Helen Ross, PGATOUR.COM

クリス・カークは「68」をマークして、首位と2打差2位浮上でトーナメントを折り返した

ここ数週間の間、クリス・カークはあることに気づいていた。組み合わせ表に目をやったり、ゴルフバッグにある名前を読もうと首を伸ばしたりして、この選手は誰なのかを探ろうとするギャラリーがいくぶん減ったことだ。

「自分を応援してくれる人や、自分のことを少しでも知ってくれる人がいるのはうれしいね」と、知名度を上げたカークは言う。カークは、先日の「ドイツバンク選手権」で今季2勝目を挙げ、フェデックスカップのポイントランキングで1位に立った。

とはいえ「ツアー選手権byコカ・コーラ」初日、ギャラリーの数は、最後から2番目の組の方が、地元アトランタ出身のカークとビリー・ホーシェルがプレーする最終組よりも多かった。その理由はカーク自身、よく分かっている。

そう、ロリー・マキロイバッバ・ワトソンといった名でピンとくるだろう。

「僕らの前の組のギャラリーは、5倍は多かったね。そうなるのも十分うなずけるけど」とカーク。「あの2人だけでメジャー6勝しているしね(注:マキロイは4勝、ワトソンは2勝)。両者とも、非常に見ごたえのあるプレーヤーだ」。

「自分が彼らほどの人気者になるとは思えない。自分のプレーを見て楽しんでくれる人が多いとうれしいけれど、そうする人はいないだろうし、僕もギャラリーをあっと言わせるつもりはない。ナイスショットを多く打てればとは思うけど、ロリーやバッバのような圧倒的なプレーよりもむしろ、効率的なスタイルになるだろうね」

その“効率の良さ”はイーストレイクGCでの今大会2日目も功を奏し、カークは「68」をマーク。2日目終了時点ではマキロイやジェイソン・デイとともに2位タイで、首位のホーシェルとは2打差だ。カークはこの日、4連続バーディを含む計6バーディを記録。初日はノーボギーだったが、4ボギーとした。

カークは「初日よりも冴えないショットがやや多く、3パットしたところもあった。だけど中盤では4連続バーディといい感じで、大崩れすることはなかったよ」と振り返った。

実のところ、出場者29人の中に4人いるジョージア大出身の1人であるカークは、目立つ存在ではないことに満足している。優勝してフェデックスカップのランキングでも首位に立ち、1000万ドル(約10億7300万円)ものボーナスを手にすれば、その人生も変わるとは分かっているが。

「誰からもちょっかいを出されないので、いい感じではある。でもいつまでも知られざる存在でいることはできない」とカークは言う。「今のようなプレーをして、評価されてさらに注目を集められたらいいね」。

「自分は、走り回ってガッツポーズをしたりするタイプではない。でもいいプレーをすれば、確実に注目されるはずだ」

今のところ、その通りのようだ。

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