初日に「65」をマークしたカイマーが、3打差で単独首位発進

By Helen Ross, PGATOUR.COM

3年も勝利に縁のなかったマーティン・カイマーだったが、「ザ・プレーヤーズ選手権」で優勝を果たし、見事に再起を遂げた。

年間を通してみても難度の高いフィールドで、初日から最終日まで首位を守り、2位に1打差で優勝を決めたことで、カイマーは大きな自信を手に入れた。そして、今シーズン2大会目となるメジャーでも初日から好スタートを切った。

パインハーストNo.2でのお手本とも言うべきプレーを見せたカイマーは、ラスト5ホール中3ホールでバーディを奪い、「65」を記録。29歳のカイマーは2位と3打差で単独首位に立った。2位タイのグループには、2010年の「全米オープン」覇者、グレーム・マクドウェルも含まれている。

カイマーは、好調の要因についてこう語る。

「『ザ・プレーヤーズ選手権』での優勝が間違いなく自信になった。今日は3つか4つのバーディが非常に短いパットで、約0.6メートルから1.5メートルくらいの距離だったかな。決めるべきパットを運良く決められたしね」。

「今は良いショットが打てている。たいていのホールでグリーンも逃していないから、ボギーを避けられた」。

本人のコメント通りの結果が初日に見られた。

カイマーは全ての面で好成績を残している。フェアウェイを逃したのは僅かに1ホールのみで、キープ率は脅威の92.9パーセント。18ホール中11ホールでパーオンに成功し、初日に要したパット数は“25”で、3パットはゼロ。ドライバー飛距離も平均300ヤードを記録した。

カイマーは、「テクニックについて考えるよりも、一番大事なヤーデージ、どこにボールを運ぶかについてだけ集中できている方が良いね。良いショットができなかったとか、どこにボールが飛んだかを考えるよりはね」と語った。

過去に「ザ・プレーヤーズ選手権」を優勝した年に、メジャー大会を制したのはタイガー・ウッズ（2001年に「マスターズ」優勝）、ハル・サットン（1983年に「世界ゴルフ選手権」優勝）、ジャック・ニクラス（1978年に「全英オープン」優勝）の3名のみ。「ザ・プレーヤーズ選手権」優勝者が同年の「全米オープン」で残した最高成績は、1978年にニクラスが記録した6位タイだ。

2位タイにはマクドウェルの他、ケビン・ナ、ブレンダン・デヨング（ジンバブエ）、そしてフラン・クインが名を連ねている。49歳の熟練工として知られるクインは、息子にキャディを任せて出場した4度目の「全米オープン」でサプライズとも言えるスタートを切った。「ザ・メモリアルトーナメント」で松山英樹にプレーオフの末に敗れ、2位としたナも好調を維持している。

拠点をパインハーストから西に2時間の距離のシャーロットに移したデヨングは、最初の2ホールで連続ボギーを叩いたがリカバリーに成功。ラウンド後には、「自分自身にこう言い聞かせた。『誰でもボギーを記録する。それがラウンドの序盤か、中盤か、それとも終盤かの違いだけ』とね。冷静さを保てたよ」とコメントしている。

1アンダーで並ぶ6位タイの集団には、20歳の新星ジョーダン・スピース、松山、ダスティン・ジョンソン、マット・クーチャー、そして2012年のフェデックスカップ王者ブラント・スネデカー、2013年同王者のヘンリック・ステンソンら豪華な顔ぶれが集まった。フロント9で「31」としたスネデカーは、10番から12番までボギー、ダブルボギー、ボギーと大叩きし貯金をすべて失ったが、なんとか踏みとどまった。

仮に今大会でアダム・スコットがトップ4を逃し、ステンソンが優勝した場合、世界ランキング1位にステンソンが浮上する。現在1位のスコットは、初日に「73」とし、68位タイで初日を終えた。

パインハーストNo.2での今大会初日にアンダーパーを記録したのは15名で、「69」を記録したのは合計10名。初日は平均「73.2306」というスコアとなった。

1999年にパインハーストNo.2で開催された「全米オープン」で2位としたフィル・ミケルソンは、イーブンパーを記録した合計20名の中に入った。同グループには、最終ホールをバーディとし「70」でホールアウトした、現在フェデックスカップランキング1位のジミー・ウォーカーや、スティーブ・ストリッカー、チャール・シュワルツェル、リッキー・ファウラー、イアン・ポールターらも含まれている。

今シーズンの「マスターズ」王者バッバ・ワトソンは、「76」と苦戦。「何を考えているかって？タフなコースということだけ。今の時点では、自分よりもコースの方が勝っている。明日、今日よりも良いプレーができるようトライする、それだけかな。もしできなかったら、来週に備えるよ」と語った。