大改造 さらに難易度を増したグリーンマイル
米国ツアーで、トップ3に入る程難しいと言われている最終3ホール、通称“グリーンマイル”。今年は明らかに何かが違うようだ。
昨年春、季節外れの寒気の影響から18ホール全てのグリーンが大きくダメージを受けた。大会2週間前に芝の張り替えが行われなければならないのは異例の事だが、同時に手直しも行われた。
最も新しいやり方を取り入れた設計士、トム・ファジオがクエイルホロークラブをベストの状態へと修復した。12年連続でウェルズファーゴ選手権を開催している最高の会場で、チャレンジをする準備が整ったと誰もが口を揃えて言う。
16番ホールは“グリーンマイル”と呼ばれる最終3ホールの始まりであるが、ここの改装はパー4の中で最も重要なものだとされているが、コースは大きく左により、湖にずっと近くなった。グリーンは湖から僅か1エーカー(1平方フィート)のところに埋め立てられ、ホール全体が約20ヤード長くなり、全長508ヤードとなった。
その変化はどれ位大きなものか? 以前、フェアウェイの左端に並んでいたオークの木々は、新しいコースでは右手に見えるのだ。「新しいコースでは水に入りやすくなったし、打数も多くなるかもれないね」とヨナス・ブリクスト。「ティショットはもっと大きく打たなければいけないね。前ほどは難しくないけれど、アプローチショットはリスクもあるけど、見返りも大きい」と続けた。
かつての16番グリーンは、現在では17番ホール(パー3)のティに使われている。選手達はグリーンに向かってより真っ直ぐなショットが必要とされるが、グリーンの真正面、そして左手には湖が待っている。このホールは20ヤード長くなり、全長217ヤード。手ごわいショットが必要とされる。
クエイルホロー参加選手のウェブ・シンプソンはクラブハウスから僅か1マイルのところに住んでおり、最近ファジオとディナーを共にした。
「新しいティについてジョークを言ってやったんだ。もし僕らがプレーできたら、大会としてあのコースのティで、選手達が打つ前に叫ぶだけの人を一人雇わなきゃ。そうしないとみんなグリーンの右外に打っちゃうからね」とウェブ・シンプソン。「ただでさえ難しいホールなのに、ティが長くて、コンディションが整ってないと厳しいよ」「高く、長く打てる選手には確実に有利だね」と続けた。
ブリクストも同様の考えだ。大会サイドが挑戦的なパー3にしようと決断した場合、恐らく70~75%の選手は右へ打ち込んでしまうだろうと話していた。
「しっかりと攻めるにはハイブリッドか3番アイアンだね」とブリクスト。「どこにでも池が待っているでしょ、だからハイブリッドか3番を使って、もしもグリーンに打ち込めたら嬉しいだろうね。そうじゃなきゃ、安全をとって少し右に打ち込んで、ピン近くに寄せていく。打数を増やさないようにしなきゃね」と続けた。
更に他2ホールでもチャレンジが必要だ。13番ホール(パー3)のグリーンは右に15フィート動かされ、全く新しく建て替えられた。更に全長300~350ヤードの8番(パー4)は真っ直ぐになり、ボールの着地点付近に2つバンカーが設置された。そしてフェアウェイに向かって10フィート傾斜が設けられた。
そして、この柔らかいベント芝が昨年大会で驚異になったことを覚えているだろうか?それは計画通り、より一般的で南部で良く育つと言われている超短小性バミューダ芝へと替えられた。多くの箇所が柔らかくなった。
「グリーンの特徴は全体的に同じだけれど、傾斜は以前より難しくなくなったから、その点は良いね」と2010年大会チャンピオンのロリー・マキロイ。「でもグリーンが堅い。これでも昨日雨だったから、今が一番柔らかい状態なんだよね・・・」と続けた。
「昨年、あんな事が起きたのにも関わらず、新しいグリーンは本当に良い状態だと思うよ。素晴らしい改善・・・もちろん2017年の全米プロゴルフ選手権(クエイルホローで開催される)を見据えてのことだろうけどね。パーフェクトだね」と続けた。
フィル・ミケルソンはクエイルホローで昨年大会の3位も含め、過去10大会中5度トップ5入りしているが、彼もまた今回ファジオが施したグリーン改装の大ファンの一人である。「全米プロゴルフ選手権でグリーンが堅くて速いと、微妙な違いが現れてきて、コースの素晴らしさを感じる」「僕はずっと、ここはティからグリーンのコースが本当に素晴らしいと思っていた。ベストと呼べるうちの一つかな。今でもそう思っているよ。今では更にグリーンが引き立たせてくれているね。今までプレーしたコースの中でもお気に入りの一つだよ」と続けた。