「あの判断は正しかった」と語るガルシア
By Brian Wacker, PGATOUR.COM
先週行われた「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」3回戦で、リッキー・ファウラーの距離のあるパーパットに対してコンシード(いわゆるOK)を出したセルヒオ・ガルシアの決断は、今も大きな話題となっている。
「僕にしてみれば、正しい行為をしたまでさ」と、ガルシアは火曜日に「ザ・ホンダクラシック」の会場で語った。「周りの人たちが間違っていたが、正しかったかについて議論を交わしているみたいだけど、僕は気にしないよ」
直前の6番ホール(パー3)で、自らのボールをドロップするのに時間を掛けすぎたことを気にしていたスペイン人のガルシアは、2アップで迎えた7番で、5メートル強のパーパットを残すファウラーに対して、コンシード(OK)を申し出た。代わりにガルシアの2メートルのパーパットもコンシードされてこのホールを引き分けとしたが、結果的にガルシアは、このマッチプレーに1ダウンで敗れてしまった。しかしこの決断に対してガルシアは、まったく後悔していないという。
2010年以来、久々にPGAナショナルに戻ってきたガルシアに真意を聞いてみた。
「ゴルフを始めたとき、父から教わったことをしただけだよ」と、ガルシア。「ゲームに勝利することはもちろん重要なこと。でも同時に“正しくプレーすること”は、僕にとっては勝利以上に重要なことなんだ。一日が終わったとき、僕らプロのアスリートは(ロールモデルと呼ばれる)社会の模範になれるチャンスがあるんだ。多くの人々、多くの子供たちに対してね。だからそういう機会が巡ってきた時こそ、きちんと振る舞いたいと思っているんだよ」
とは言え、これまでのガルシアの振る舞いが、常に正しかったという訳ではない。彼は、自らの過ちから学んだという。彼は今、フィールドの外でも中でも、幸せを実感しているという。それは感情的なアスリートであるガルシアにとっては、珍しいことと言えるだろう。
感情の安定は、ゴルフに良い影響を及ぼすだろうか。昨年終盤からのガルシアの成績を振り返ってみると、直近6戦で11位以上の成績でフィニッシュしたことは、わずか1度しかなかった。そんな彼だが、今週PGAナショナルで行われる一戦は楽しみにしているという。
「ゴルフ以外のプライベートが充実しているときは穏やかだし、それは僕が望んでいること」と、ガルシア。「コースに出て、どんなゴルフをしようかと思いを巡らすことのほうが、(ゴルフ以外のことをうまく行かせるよりも)よっぽど簡単だ。私生活でささいな悩みやトラブルがあると、プレー中の頭の中はいろいろと考えてしまうものだからね。そんな状況であっても、僕らプロは常に高いパフォーマンスを求められる。これは口で言うほど簡単なことではない。でもこんな些細なことが、自分のメンタル状態を良化させて、プレーに良い影響を及ぼすことは確かだね」