「ホンダクラシック」アラカルト
コース:
PGAナショナル(チャンピオンコース)は、7,241ヤードのパー70。ジョージ・ファジオとトム・ファジオによる設計で1981年に開場しビッグイベントを開催してきた。1983年ライダー・カップの舞台でもあり、その時はラニー・ワドキンスが、18番でホセ・マリア・カニザレス相手にバーディを獲り、欧州チームの米国本土初勝利を阻止している。またチャンピオンコースは、1987年の「全米プロゴルフ選手権」と「全米シニアプロ選手権」を19回開催。同大会は2007年からこの地で行われている。またジャック・ニクラスが1990年にコースを改修。15番~17番ホールは“ベアトラップ”(ニクラスの罠)として有名だ。
フェデックスカップ:
優勝者は500ポイントを獲得する。
チャリティ:
大会収益の一部は、幼児疾患と幼児障害の治療と予防、そして診断の発展をサポートする「チルドレンズ・ヘルスケア・チャリティ」へ寄付。「ザ・ジャック・ニクラス・チルドレンズ・ヘルスケア基金」が第一受益者となっており、小児医療サービスへも寄付される。
出場選手:
長期休養を取っていた世界ランクトップのタイガー・ウッズと同2位のアダム・スコットが、今週の同ランクトップ7と同25位中13人が参戦という層の厚いこの大会に出場する。ハワイでの2試合以降、姿を見せていないスコットは、2003年以来では2度目の大会参加。2011年大会では予選落ちしている。また、フィル・ミケルソンが、同大会がTPCヘロンベイで開催されていた2002年大会以来の出場を予定している。そして、欧州ツアーで活躍しフロリダ在住のブルックス・コエプカとピーター・ユーラインという2人の成長株が招待選手としてプレーする。
72ホールの記録:
264ストローク(ジャスティン・レナード、2003年、ミラソル)、PGAナショナルでの記録はカミロ・ビジェガスが2010年に記録した267ストローク。
18ホールの記録:
61ストローク(ブライアン・ハーマン、2012年大会第2ラウンド)
2013年:
マイケル・トンプソンが、スター揃いの混戦の中、頭一つ抜け出しPGAツアー初優勝を達成。強風に悩まされる大会となったが、ジェフ・オギルビーを2打差でかわした。最終日は、3番で約15メートルのイーグルパットを決めると、バックナインに入ってからの5ホールで3つの貴重なパーセーブ。最終18番では、5番ウッドで会心のショットを放ち、約1.2メートルに寄せるとバーディとし、1アンダー「69」でホールアウトした。一方で2人の注目選手にとってはタフな試合となった。タイガー・ウッズは、最終ラウンドでロストボールが2回あり37位タイ、ロリー・マキロイは2日目のラウンド中に親知らず痛で棄権していた。
筋書き:
スターとして実力は十分だが、世界ランキングトップ7の面々はPGAナショナルに新鮮な気持ちで登場する。ウッズ、スコット、そしてミケルソンは「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」を欠場。ヘンリック・ステンソン、ジャスティン・ローズ、ロリー・マキロイ、そしてザック・ジョンソンはマッチプレー2日目までに姿を消したからだ。ウッズのPGAナショナルでのプレーは3回目。2012年はマキロイに次ぐ2位タイとなった。最低3回以上プレーしたコースで、ウッズが優勝できていないのはリビエラCC、ウェストチェスターCC、ダブマウンテン、そしてTPCスコッツデールの4か所となっている。「ホンダクラシック」が2007年からPGAナショナルで開催されるようになってから、大会全体のボギー数のうち18%は“ベアトラップ”でのもの。これがダブルボギーだと全体の32%となり、トリプルボギー以上になると42%にまでなる。
その他:
海外選手の出場が多くなっており、この9年間で米国籍選手が優勝したのは、昨年のトンプソンと2007年に4人で月曜日のプレーオフを戦ったマーク・ウィルソンの2人だけ。2000年大会の覇者ダッドリー・ハートは、今年3度目の大会出場。背中の痛みに悩まされ、2010年~13年は1度しかPGAツアー参戦を果たしていなかった。なおこの大会前のトーナメント出場は「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」で35位タイ。フロリダ州パームビーチ近くで開催されるこの大会、トップ35のうち7選手はPGAナショナルから30分以内に住居があるが、同じく居を構えるダスティン・ジョンソンとアーニー・エルスの2人は不参加の予定だ。