2014年 AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ

今週の舞台:ぺブルビーチゴルフリンクスの9番ホール

2014/02/05 11:38
太平洋を一望できるペブルビーチ9番ホールで今年はどんなドラマが生まれるのか(Getty Images)

干ばつに悩む北カリフォルニア地方モンテレー半島で、先週の日曜日に降った1インチ(2.5cm)ほどの降雨は、多くの人々に歓迎された。

しかしクリス・ダルハマー氏は、タイミングの悪い天の悪戯に、苦笑いしてしまった。

というのも、今週は「クロスビー・ウィーク」だからだ。

「クロスビー・ウィーク」とは、かつてビング・クロスビー氏が主催し、びしょ濡れの天候にも関わらず評判となった「AT&Tぺブルビーチナショナルプロアマ」に与えられている昔からの愛称だ。

昨年11月から今年1月までの間に、ペブルビーチゴルフリンクスに1インチ(2.5cm)未満の雨量しか降らなかったとき、ダルハマー氏と彼のスタッフは「クロスビー・ウィーク」は、まだしばらく先のことと思っていた。

しかし実際は、大会が近づくにつれ傘マークの予報が増すばかりとなった。

「我々は12月から1月にかけて、あらゆる状況を想定しながら話し合ってきました。残念なことに現実のものとなりそうですが…」と、世界のゴルフ場の中で、最も視覚的なレイアウトのひとつと言われるこのコースで、10年に渡って勤務するダルハマー氏は語った。「ほかに、選択肢はないですからね」。

日曜日に降った雨は、その前週にダルハマー氏らスタッフが、速くて固い仕様に調整したコース全体を柔らかくした。さらに水曜日の夜からは雨の予報が出ており、木曜日の大会初日は降水確率80パーセントの予報が出ている。

「間違いなく、ゴルフコースのコンディションは一変します」と、ダルハマー氏は語った。「この週末は、スピンをかけたボールでピンを狙うことができる。ダーツのように的を狙えるよ」。

30パーセント程度の予想とはいえ、最終日の日曜日も雨の予報が出ている。

先週までは、ほぼ完璧にプランどおりのコースメンテナンスが行われてきただけに、なんということだ。

干ばつに直面したダルハマー氏らは、通常は必要としないスプリンクラーを起動させてコンディションを整えてきた。たっぷりと降り注ぐ日光は、青々とした芝芽の成長を促した。

「芝の状態は、万全です。この2ヵ月の間で理想的に成長しましたから」と、ダルハマー氏は語った。「コースの湿度を自在にコントロールすることができれば、トーナメント仕様にコースコンディションを整えることは可能ですからね」。

「クロスビー・ウィーク」に従事するベテランは、ペブルビーチの9番ホールのグリーンが元に戻ったことも示唆してくれた。新たに排水溝を設置する作業の間、微妙に失われていたコンディションを取り戻したのだ。これはコースのキーポイントとなる舞台の排水装置をアップグレードさせるための事業の一部だった。

「何人かの選手は(作業の影響に)気づくかもしれませんが、多くは気づかないでしょう。我々は、当初のコンディションや傾斜を保とうとしましたから」と、ダルハマー氏。「しかし、使うかどうか分かりませんが2、3箇所は予備のピン位置を想定しているので、ひょっとすると選手たちは、気づくかもしれませんね」。

6~8フィート(1.8~2.4m)あったポイゾンオーク(松)とブラックベリーの茂みが取り除かれるなど、9番ホールのグリーン周りの改良工事は2年ほど前にはじまった。そしてついに、太平洋を見渡す素晴らしい展望が、新たに完成した。

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