首位を死守したリードがヒュマナチャレンジを制す
カリフォルニアのラ・キンタCCで開催された「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」で、初日から3日目まで「63」の9アンダーを記録したパトリック・リードが、最終日を「71」の1アンダーにまとめ、ライアン・パーマーに2打差で優勝を飾った。
これまで好調だったパットの感覚を失いかけたリードだったが、勝負のかかった終盤にかけてタッチを取り戻すことに成功。試合後には、「厳しい戦いだった」と話し、最終日を振り返った。
前日には「無意識感覚でパットが打てている」と話していたリードは、パー3の15番で5.5メートルのパットを沈めてバーディを奪い、2位との差を3打に広げた。そしてラスト3ホールをパーで締め、初日から首位を守り、「260」のトータル28アンダーで優勝を決めた。
「終盤はパーを狙った。パーを取れていれば問題ないとわかっていたからね。自分を逆転するには、誰かがとんでもないスコアを記録しないといけない状態だったから」
23歳のリードは、これまでにPGAツアー46大会に出場。プレーオフを制して優勝した昨年8月の「ウィンダム選手権」に続き、2勝目をマークした。フェデックスカップ・ポイントランキングでは、順位を約100位上げ8位に急浮上。世界ランキングでも73位から42位へとジャンプアップし、来月開催される「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」出場権を手にした。
2位に終わったパーマーは、最終ホールで4.6メートルのイーグルパットを沈め、「63」でホールアウトした。「今週のパトリックのプレーを見せられたら、何も出来やしない。彼は凄いことを成し遂げたよ。僅差で勝利を逃す時もあるだろうけれど、今日は2位を取ろうと思ってプレーしていたので、自分の中では勝利に等しい」
3位タイにはザック・ジョンソンとジャスティン・レナードが通算25アンダーで並んだ。ジョンソンはラスト5ホールで連続バーディを記録し、大会ベストの「62」を記録。レナードは最終2ホールをパーで締めくくり、「65」を記録した。
ジョンソンは、「終盤に良い状態になったのにね。序盤パットを何本か外したけれど、良いプレーが出来ていた。最後にまとめてバーディを取れた」と語った。
カパルアで優勝したジョンソンは、今後4週間の休暇を挟み、アリゾナで開催される「アクセンチュアマッチプレー選手権」に出場予定。「自分にとっても休暇が必要なのはわかっているし、家族にとっても良いことだからね。でも、今は状態が良いから躊躇してしまう自分もいる。今の状態を維持したいね。今のフォームとリズムを維持して、ツーソンでの大会に臨みたい」。
最終2ホールでパーとしたレナードは、「良い1週間だった。今日はもう少しパットを決めたかったけれど、楽しい旅になった。今年は出場する大会数を減らしているから、その分ゆっくり出来ている」と話した。
15番での5.5メートルのパット以外でリードが押し込んだロングパットは、13番パー4で見られた1.5メートルのパーパット。5番から12番までで4ボギー、3バーディ、そしてパー1つの1オーバーとしていたリードにとっては、絶対に外せないパットだった。また、11番のパー5でも、3.7メートルの距離から2パットとしイーグルを逃すなど、最終日を通してパターが不調だった。
「良い調子ではなかったけれど、それでも何とか勝てたから良かった」と、リードは最終日を振り返った。
リードは初日から3日連続となる「63」をマークし、ツアーの「54ホール目までの最多アンダーパー記録」となる通算27アンダーを記録。更に米ツアー史上初めて、初日から3日間「63」以下で回るという記録も樹立した。
これまでは妻のジャスティンさんがキャディを務めてきたが、第一子を妊娠中の為、今大会はジャスティンさんの弟のケスラー・カレンさんにバトンタッチ。予定日の5月最終週に出産後、妻はキャディに復帰する予定という。
オーガスタ州立大時代の2010年と11年で大学タイトル獲得に貢献したリードは、プロ転向後の2012年にマンデークオリファイ(編注・大会ごとの予選会)に12回出場し、6大会で本戦に進出するなど、注目を集めた。そして2012年12月、PGAウェストで開催された6ラウンドのQスクールで勝ち残り、昨季のツアー出場権を獲得した。