ストームがベイヒルを直撃
タイガー・ウッズの大会8度目の優勝、そして世界ランク1位へ返り咲く挑戦は、明日へ持ち越されることとなった。
アーノルド・パーマーインビテーショナル4日目は、最大で時速60マイル(約100キロ)を計測する強風を伴う激しい雷雨のために中断された。1.5インチ(約3.8センチ)にも達する大雨に見舞われ、竜巻警報が出るほどの悪天候だった。
1日延期された最終ラウンドは、東部時間の月曜午前10時から再開される。日曜日の午後2時過ぎに悪天候のため試合が中断された時、優勝を争うタイガー・ウッズとリッキー・ファウラーの最終組は、わずか2ホール目を終えたところだった。
「ゴルフコースは、とてもプレーできる状態ではないほど悪化してしまった」と、PGAツアーのルール&競技部門副部長のマーク・ラッセルは話した。「スタッフたちは現在も回復作業に務めており、今夜は日没まで、そして明日も早朝から作業を続けてプレーが再開できる状態になるよう努める次第だ」。
「我々は今日はツキがなかったんだ。レーダーではピンの頭ほどの小さな台風だっだが、それが運悪く我々の場所を直撃した。我々がほんの30マイル(約50キロ)北、または南にいれば問題なかったろうに。ただ、ツイていなかったんだ」
延期となった最終日のチケットは、翌日も有効となる。ゴルフコースの駐車場は雨により閉鎖され、観客用の駐車場はユニバーサル・スタジオ付近の場所に移動される予定だ。
ゴルフ・チャンネルは明日午前10時から、最終日の模様を試合終了まで放送する。PGAツアーのLIVE@や、シリウスXMラジオも、同じく午前10時から中継を行う。
試合が中断される直前、2番ホールでバーディを決めたウッズは、ファウラーに3打差をつけてコースに戻る。
激しい雨から15分後、雷が鳴り稲妻が落ちた。18番ホールの椅子が吹き飛ばされた他、10番ホールのグリーン後方にあるテレビ塔が倒れ、ファアウェーには本来は池を泳いでいるはずの魚の姿さえ確認できた。
「我々は今日、少しだけだがプレーをすることができた。全く何もしなかったわけじゃないからね」と、ウッズは話した。「以前にも似たような経験はあるしね」。
クラブハウスの向かい側の通りの大きなテントに設置されたメディアセンターは、竜巻警報により撤退を強いられた。多くのメディア関係者はどしゃ降りの中、急ぎ足でクラブハウスへと向かい、選手やキャディー、大会関係者らと共に待機し、嵐のピークが過ぎるのを待った。
そして午後4時過ぎ。翌日への延期が決定すると、全員が一斉に引き上げた。
この日の天気予報を踏まえ、大会関係者は悪天候の前に選手を早めにスタートさせることも含め様々なプランを検討したが、最終的にはそうしなかった。
「全員が関係していた」と、ラッセルは話す。「テレビ局のパートナーたちにも議論に参加してもらった。我々は様々なシナリオを検討し、プレーを再開する可能性に懸けることにした。ただ、今日は運が悪かった」
「様々な条件を考慮した。もしもっと早い時間にプレーしていたら、テープディレイとなり、視聴者はテレビの中継よりも先に試合結果を知ってしまうという、テレビ局にとって望ましくない状況になっていただろう。彼等はプレー再開の可能性に懸けてみることを望んだんだ。過去にはそれで上手くいったこともあったしね。ただ今日は、運が悪かった」。
大会ディレクターのスコット・ウェリントンはさらに「我々は、関係者全員のことを考え最善の決断を下したつもりだ。それが裏目に出てしまったのは不運だった」と付け加えた。
今シーズン、悪天候により大会終了が1日遅れるのは3度目のことだ。
ハワイのマウイ島で行われたヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズは強風の影響で開幕が月曜日までずれ込み、54ホールの大会に短縮され、翌日には大会は終了した。
また、ウッズが優勝を収めたファーマーズ・インシュアランス・オープンでは、霧の影響で丸1日プレーがなくなり、ウッズが優勝を決めたのは月曜のことだった。
この大会が月曜日までずれ込むのは、35年の大会史の中で3度目のことだ。