2019年 マスターズ

18番グリーンでの会話 キャディが感じたウッズの変化

2019/04/16 15:32
マスターズ翌日の米国の紙面はタイガー・ウッズの話題で埋め尽くされた

◇メジャー第1戦◇マスターズ◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)

タイガー・ウッズの14年ぶり「マスターズ」制覇(5勝目)、11年ぶりのメジャータイトル獲得(15勝目)から一夜明けた15日(月)、米メディアは復活優勝を大々的に取り上げた。「USAトゥデイ」、「ニューヨークタイムス」、「ウォールストリートジャーナル」などが一面で報道。故障、不調のほか、不倫問題や逮捕といったプライベートの苦難も乗り越えた43歳のキャリアをたたえた。

「オーガスタクロニクル」は長年、マスターズを徹底報道する地元紙。特集面で2011年からバッグを担ぐキャディのジョー・ラカバの言葉を掲載した。

後続に2打差をつけて最終18番でグリーンに向かってフェアウェイを歩く最中、場内はスタンディングオベーションになったが、「僕らにはまだやるべきことがたくさんあった。とにかく5(ボギー)で上がることしかタイガーの頭にはなかった。もしも2オンしていたら違う(盛り上がりの)展開になっていたかもしれない」と振り返った。

ラウンド中は「懸命さを失わない一方で、リラックスしてプレーする」ことを心がけて話していたという。「世界の期待を背負いこまないように。力を抜いて、状況を楽しもうと」。ウッズ本人と同じように、前年の「全英オープン」、「全米プロ」での6位、2位の好成績が復活の兆しだったという見方。ウィニングパットを決めて向き合ったときは「いつものように“We did it! “(やったぜ!)、”All the work paid off”(努力が報われた)と彼は言っていた。たくさん言葉を交わしたわけじゃなかったよ」と会話の内容を明かした。

ラカバは長年、米ツアー15勝を誇るフレッド・カプルスのキャディを務め、1992年大会の優勝をアシストした。その後、ウッズが不振の真っただ中にいた2011年9月にスティーブ・ウィリアムス氏からエースキャディの役目を引き継いだ。その後の深刻な腰痛による低迷期も、他のツアープロには目もくれず、ボスの復活をそばで見守った。

「彼はみんなとハイタッチをしたり、しゃべったり、サインもたくさんして、ゴルフを楽しむようになったと思う」と43歳になったスーパースターの近況を語る。「同じ組の選手たちともたくさん話すんだ。18番でたくさんの選手たちが彼を待ち受けていただろう?」と結果にとどまらない変化を喜んだ。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

キャディのジョー・ラカバ(右)と喜びを分かち合ったタイガー・ウッズ

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