うれしさと、ふがいなさと 小平智は2年連続の決勝へ
◇メジャー第1戦◇マスターズ 2日目(12日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)7475yd(パー72)
小平智が初出場の前年大会に続く決勝ラウンド進出を決めた。初日3オーバー63位タイの出遅れから5バーディ、3ボギーの「70」で回り、通算1オーバー46位タイ。50位タイまでのカットラインをクリアした。
「1Wショットがダメすぎて、よくこのスコアで回れているな…と思っていた」と得意クラブの乱調に悩まされながら、小平は前半8番(パー5)までに1つスコアを伸ばした。
スーパーショットは10番。ミスショットが招いた左ラフから残り226ydの第2打で、UTを強振してピン横3mにつけた。つま先上がり、左下がりのライから、フェアウェイの真ん中に配置された「バンカーを越えれば下ることが分かっていた」という。「ホントにうまく行ってくれた。あれは今日一番のショット」と胸を張ると、その後はボギーの後にバーディを奪うバウンスバックを2回。アンダーパーをマークして決勝進出を確実にした。
開幕前は「2回目だから逆に難しい」と前回の経験は不安材料にも感じていた。「コースを知ると怖さも生まれる」。持ち前の思い切りを失う恐れもあった。そして、前年ほど調子が良いという確信もなかったため「成長している部分は自分でも感じる。去年はこれくらいグリーンを外していたら、ボギーはもっと多かった」。PGAツアーで過ごしたちょうど一年の時間は無駄ではない。
初出場から2年続けて決勝ラウンドに進出したのは、2011年&12年大会に出場した松山英樹(当時アマチュア)以来となった。「うれしい。でも、もうちょいできるとも思う」と言った。
待ち焦がれるのは、オーガスタナショナルGCでの60台のスコア。1年前は出せなかった。4mのバーディパットを惜しくも外した「17番で意識した」と苦笑いする。「『これが入れば…』と思った。入んなくて、『またか』…って。自分では“ふがいなさ”しかない」。目の前の宿題は週末までに済ませたい。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)