キズナーが汚名返上 2年連続の決勝でリベンジ
◇世界選手権シリーズ◇WGCデルテクノロジーズ マッチプレー 最終日(30日)◇オースティンCC(テキサス州)◇7108yd(パー71)
ケビン・キズナーが1年前の屈辱を乗り越えて、WGCタイトルを手にした。準決勝でフランチェスコ・モリナリ(イタリア)を1アップで破り、続く決勝でマット・クーチャーを3&2で退けた。前年大会はバッバ・ワトソンに7&6と決勝戦としては大会史上最大差で敗れたが、“リベンジ”に成功した。
5日間で計7マッチ。心身に疲労が満ちる長丁場で、勝因に挙げたのは準決勝終了後から決勝開始までの空き時間の使い方。「去年、準備の仕方を学んだんだ」とキズナーは言う。前年はワトソンと戦う前に、普段通り1時間のウォーミングアップをしようと急いだあまり、マッチで息切れ。今年はゆっくり休息し、ティオフの20分前から練習場で20球だけボールを打ってティオフした。
互いに決め手を欠いた決勝戦は、11番(パー3)でクーチャーが第1打を池に落として形勢が傾いた。キズナーのバーディはパー5を除くと1つだけ。16番(パー5)で6mを沈めてバーディとすると、疲れを振り払ってガッツポーズを作った。「長い週末だった。精神面だけじゃなく、肉体面もヘトヘト。ストレスたっぷりのホールばかりだった」と安堵のため息。相手のクーチャーも「ケビンは堅実なゴルフで求められるプレーをした。互いに望んでいたプレーではなかったけれど、彼はパーを拾って僕のミスを呼んだ」と脱帽した。
ちなみにこれまで、キズナーは通常のストローク戦でプレーオフ全敗という不名誉な数字が残っている。2015年シーズンに「ザ・プレーヤーズ選手権」を含む3敗。17年にはダブルス戦の「チューリッヒクラシック」でも勝てなかった。
一方、今大会の通算成績はこれで14勝5敗1分けとし、7割の勝率を誇ることに。今年12月の世界選抜との対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」の代表を争う米国内のランキングでは、30位から15位に浮上した。(テキサス州オースティン/桂川洋一)