2019年 ザ・プレーヤーズ選手権

ウッズ パッティングの不振打開に年下の新コーチ?

2019/03/14 09:15
ウッズのパッティングを見つめるマット・キレン(左端)

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報(13日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)

首の痛みを理由に前週の「アーノルド・パーマー招待」出場を取りやめたタイガー・ウッズだが、TPCソーグラスでは月曜日から元気に練習を重ねている。

現地で話題になっているのは、今週からマット・キレンという若手インストラクターがウッズの低迷するパッティングの相談役になり、練習ラウンドやパッティンググリーンでウッズの動画を撮ったり、会話をしたりしていることだ。ウッズは出場した直近2大会で3パット11回、4パットも1回記録している。

ウッズは17年12月にスイングコンサルタントのクリス・コモ氏と決別を発表してから、トーナメント会場では誰からも指導サポートを受けていなかった。昨年8月にも「現在コーチはいない。試合の録画放送や動画を観て、自分なりに分析している。背中の手術を受けてからは、ずっと自分ひとりで戦っている」と語っていた。

プロ転向してからウッズが専属コーチを雇ったケースは4回ある。ブッチ・ハーモン(1996-2003)、ハンク・ヘイニー(04-10)、ショーン・フォーリー(11-14)、クリス・コモ(14-17)だ。

現在32歳のキレンが、ケニー・ペリーの専属コーチとしてツアー会場に現れるようになったのはなんと13年前だった。同じケンタッキー州出身で、ペリーの息子の友人だったキレンが、“スイング研究オタク”だということで関係がスタートした。当時、45歳のツアー選手が19歳のインストラクターから習うという珍しいケースで注目を浴びた。ペリーはその後、09年の「マスターズ」でプレーオフの末惜敗の2位。この年の世界ランク最上位は4位だった。

キレンは現在、ジャスティン・トーマスJ.B.ホームズニック・ワトニーバド・コーリーの4選手を指導している。

主にパッティングを教わっているというトーマスは 、「マットは僕が6、7歳の頃から知っています。(パッティングコーチとツアープロという)ビジネス的な関係ではなく、信頼できる親しい友人です。大学1年から指導を受けて、多くの基本をしっかり教えてもらいました。これまで気がつかなかった小さなことを指摘してくれたり、逆に複雑に考え過ぎないように、シンプルに何に集中したらいいかアドバイスをくれたりするので助かっています」という。

ウッズとキレンが親しくなったのは、16年のライダーカップ。当時副キャプテンを務めていたウッズは、ホームズのコーチをしていたキレンと会話を交わす機会が多かったという。また、ウッズとトーマスはフロリダ州パームビーチ地区で一緒に練習することも多く、キレンがトーマスを丁寧に指導している姿や指摘ポイントを聞き、豊富な知識や観察力に好意を持ったという。

公式記者会見でウッズは「これまで僕のパッティングストロークを頻繁に見ていることもあり、彼に意見を求めた。現在のセットアップ(構え)と好調だった時を比べてどうなっているのか?彼はいくつか指摘してくれた。加えて、自分自身の体調も良くなったので、構えやストロークもスムーズになってきた」と説明した。

「右手主体のストロークが好き」だというウッズのパッティング哲学。「パターヘッドのトウ部分がリリースしてヒットする感覚、これが僕にとって最適なパッティングストローク」と熱意を込めて語る。「ボビー・ロックやベン・クレンショーが実践していたようにパターヘッドを動かすことができたら最高」。真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すというストロークより、パターフェースを開いて閉じる感覚を大事にしているようだ。

マスターズへの準備期間は1ヶ月を切っている。体調に問題がなければ、次は2週間後の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」に参戦するという。まだ正式にキレンと契約を交わしたという発表はないが、今週は米ツアーで最も重要なフラッグシップ大会。過去、01年(3月)と13年(5月)に制しているTPCソーグラスのグリーン上で、ウッズがどのようにパッティングを修正してくるのかに注目したい。(フロリダ州ジャクソンビル/アンディー和田=ゴルフ解説者)

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