「昨日よりはマシ」松山英樹は上昇気流で週末へ
◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待byマスターカード 2日目(8日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ◇7454yd(パー72)
松山英樹は4バーディ、2ボギーの「70」で通算2アンダーとして、前日の49位から31位へじわりと浮上。「昨日よりはマシになった」と体調も回復気味で、首位とは7打差ながら上位も見える位置で週末へと駒を進めた。
ここ最近、課題としているティショットとパッティング。この日も、朝の練習場に3本の1Wを持ち込んで、ギリギリまで試行錯誤を続けていた。ラフが深く距離が長い、その上グリーンも固く締まりつつあるベイヒルでは、フェアウェイキープが重要になってくる。だが、初日のフェアウェイキープ率は64.3%で、2日目は50%。「原因が何なのか分からない」と、1Wに加えて3Wでもフェアウェイキープに手を焼いている。
それでも、チャンスホールで確実にバーディを奪い、ピンチをしのげばスコアは作れる。この日、松山はパー5でバーディ3つを量産した。12番では79ydの3打目をスピンを効かせて80センチにピタリと止めた。2打目をグリーン右に落とした4番は、クッションを使った絶妙なアプローチでOKに寄せ、6番はショートサイドのガードバンカーから90センチに寄せ切った。
後半アウトは4度バンカーにつかまりながら、スコアを落としたのは1ホールだけ。数回ショートパットを外したが、「最近の中ではぜんぜん良い方」とパッティングに及第点を与えた。ラフからでもグリーン近くまで運ぶショット力に、小技も駆使して、傷を最小限にとどめた。
耐えたとも、もっと伸ばせたとも言える1日だ。「その通りだと思いますけど、いまの精一杯ですね」と、松山もうなずいた。
身体は「食欲はあるけど、食べるとお腹が痛くなるので食べられない」という状態。エネルギー不足にならないの?と問われると「多少あるけど、その分蓄えているので大丈夫です」と不敵に笑った。その言葉は本当だろう。ホールアウト後、練習場に向かう余力もあったのだから。(フロリダ州オーランド/今岡涼太)