ホームズはパット練習実り逆転V 次週「メキシコ」行きは?
◇米国男子◇ジェネシスオープン 最終日(17日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71)
「午後になって風が強くなる予報が出ていた。僕はコンディションが悪い時の方が自分にチャンスがあると思っている」。J.B.ホームズは第3ラウンドを終えた直後、ジャスティン・トーマスに4打差をつけられて突入した最終ラウンドへの希望を捨てなかった。風速11mが吹き荒れた午後のプレーを「70」で耐え抜き、通算14アンダーとして逆転優勝を飾った。
パッティングが冷え切ったトーマスに対し、ホームズはグリーン上で勝負強さが光った。追う立場でバックナインに入り、13番、16番(パー3)で3mのパーパットを沈めて単独トップで終盤へ。「重要な場面でパットを決められて、アイアンショットも良かった」。最終18番では15mのバーディパットをきっちり寄せてパーを拾い、2015年「シェルヒューストンオープン」以来の勝利を飾った。
今大会までに今季のトップ10入りは1回だけ。パット技術の指標であるストローク・ゲインド・パッティングは202位と散々な出来だった。コーチのマット・キレンとアドレス時のボール位置から見直し、ゲートの間を通す練習に熱心に取り組み始めたばかり。「ラインに乗るようになったんだ。今週は何時間もパットを練習した」。ストローク矯正のための鏡がついた練習器具を使うなど、スタート前のルーティンも見直し、さっそく最高の結果を引き寄せた。
ちなみにこの勝利で次週の「WGCメキシコ選手権」への出場権を手にしたが、エントリーはしない。「4週続けて出てきた。プレーできるのはありがたいけれど、疲れている」と、当初計画していた家族旅行に出かけるつもりだ。
2011、12年と2度の脳の手術を乗り越えて、ツアーで戦う36歳。「一番大事なことは神と家族と友人。これ(ゴルフ)はあくまで仕事に過ぎない。生きるためにプレーできることが何より驚きなんだ」と信念は曲げなかった、(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/桂川洋一)