強風に負けず 小平智は3年ぶり上海でイーブンパー発進
◇世界選手権シリーズ◇WGC HSBCチャンピオンズ 初日(25日)◇シェシャンインターナショナルGC (中国)◇7261yd(パー72)
3年ぶり出場の小平智は「72」で回り、イーブンパーの27位タイで滑り出した。出だし10番でAWでの第2打をピンそば20㎝につけてバーディ発進。中盤に2つボギーをたたいてから、最終9番をバーディで締めくくった。
同大会に初めて出場した2015年は71位と低迷した。初日から「74」「76」「76」をたたき、最終日に「68」をマークした。米ツアー優勝者となり、2シーズン目を迎えて乗り込んだ今年は事前ラウンドから3年分の成長を実感している。飛距離が伸びたこと以外にも「前に気持ち悪かったホールも、気持ち悪くなくなった。そんなに難しく感じない」。だからこそ、イーブンパーの出だしにも満足とはいかなかった。
小平が練習ラウンドを行った開幕2日前(23日)とは、ほぼ逆の向きからこの日は風が吹いた。「グリーンはそこまで硬くないので、フォローでもボールは止まる。でもアゲンストだとバックスピンを計算しないといけないので難しかった」と戸惑いもあった。
予想外のコンディションだったからこそ、バーディフィニッシュは価値がある。グリーン右サイドに池が口を開ける9番は、強い向かい風。残り215yd、5Wを持たされた小平のショットはピン左6mをとらえ、これを沈めてみせた。「風が強かったので、リズムを崩さないことを(終始)意識した。上がりにいいバーディが獲れたのであしたにつながるんじゃないかと思います」と納得した。
首位のパトリック・リードとの差は8打ある。2日目以降も状況判断を大切にしながら攻め込むつもり。「この風でこのくらいで回れたので、(残り3日は)アンダーパーを出せるんじゃないかと思います。3年前も最終日にいいスコアを出した。そのイメージが強い」。2週ぶりのPGAツアーで上位進出への欲は高まるばかりだ。(中国・上海/桂川洋一)