思い出のカーヌスティ マキロイは4打差からメジャー5勝目へ
◇メジャー第3戦◇全英オープン 3日目(21日)◇カーヌスティ(スコットランド)◇7402yd(パー71)
カーヌスティで前回の「全英オープン」が開催された2007年、当時18歳だったロリー・マキロイ(北アイルランド)は大器の片りんを見せていた。初日に「68」をマークした勢いのまま、通算5オーバーで4日間を戦い抜き、ローアマチュアに輝いた。直後にプロ転向し、当地を含めた3コースでプレーする同年10月の欧州ツアー「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」では3位に入った。
「ここで全英に出たあの時は、ただただ幸せだった。フェアウェイをぴょんぴょん歩いて、スコアが『82』になろうが、『62』であろうが気にしなかった」。あれから11年が経ち、すでにメジャー4勝。全英は2014年にロイヤルリバプール大会を制した。世界ランキング1位の座にも到達し、結婚して家族もできた。
ここ4年間でメジャー優勝がなく、29歳になって帰ってきたカーヌスティで、マキロイは当時のようなアグレッシブな姿勢を重視している。「バンカーに入れない限りは、フェアウェイからでなくともプレーできる」。リスク覚悟で得意のロングドライブを生かしてアドバンテージを取ろうとする。
3日間のフェアウェイキープ率は46.7%で全体112位。それでも予選2日間で「69」を並べ、この日は5バーディ、4ボギーとスコアを動かして「70」でまとめた。上がり3ホールで2ボギーをたたいたことを残念がったが、トップとは4打差の5アンダー6位にいる。
「あしたは早い仕掛けが必要だ。きょうの締めくくりは残念なものになったけれど、まだ優勝争いから脱落はしていない。まだ僅差にいる。あしたの風はちょっと強くなるみたい。おもしろいことになるよ」
全英は来年、マキロイの郷里・北アイルランドのロイヤルポートラッシュで行われる。クラレットジャグを一足先に故郷に届けられれば最高だ。(スコットランド・カーヌスティ/桂川洋一)