2018年 トラベラーズ選手権

出遅れの小平智 1W破損から長引く苦悩「ごまかしきれない」

2018/06/22 09:22
小平智は1Wから攻めのゴルフが組み立てられず

◇米国男子◇トラベラーズ選手権 初日(21日)◇TPCリバーハイランズ (コネチカット州)◇6841yd(パー70)

思い描く打球を放てない。理由が分かるからこそもどかしい。小平智は「72」で2オーバーの114位。3試合ぶりの予選通過に向け出遅れた。昨年にエース1Wを破損して以降、「だましながら続ける状態」と吐露した。

序盤、小平のショットはさえた。296ydの短い15番パー4では、3Wのティショットをグリーン周りに運ぶとバーディを奪いアンダーパー。池越えの1打目をピン付近に落とし歓声をさらった16番(パー3)で2連続とした。さらに17番では左サイドのフェアウェイバンカーから2打目をピン根元に落とし、2.5mにつけた。下りのチャンスを外したが、「アイアンは申し分ないほど」と自負した。

展開は18番のボギーを境に一転。パーを拾い続けたが、後半4番。グリーン奥からの寄せはカップに向け左曲がりのラインに乗り切らず、下り傾斜を転がりグリーンの外へ。短いボギーパットを外しダブルボギー。「入れなきゃ、入れなきゃと思ってパンチが入った」と7番からは2ホール連続で3パットのボギーを喫した。前半と後半で異なる内容だったが「僕は前半からしっくりきていなかった」という。

小平智は終盤に3パットのボギーを重ねた

昨年10月の国内ツアー「日本オープン」でエース1Wのヘッドが割れて以降、「気持ち良くゴルフができていない」。米ツアー初優勝を飾った今年4月の「RBCヘリテージ」についても「良いゴルフができたのは2日だけだった」と振り返る。

この日のフェアウェイキープ率(64.24%)は全体74位。1Wを自らのゴルフの組み立ての中心に据えており、「流れの中で同じように打てない。いまの1Wがうまく打てたときに同じイメージでアイアンを打つとダメだったり…。日本ではごまかせても、こっちではごまかしきれない」と苦悩を抱える。

自らの努力だけで解決できる問題ではない。ただ「スイングはヘリテージのときより良い。いまはできる限りのことをやる」と前を向いた。(コネチカット州クロムウェル/林洋平)

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