「左手の痛みは大丈夫」松山英樹は耐えて伸ばして18位で週末へ
◇メジャー第1戦◇マスターズ 2日目(6日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7435ヤード(パー72)
14番でアゲンストに感じた風が、逆向きの15番でもアゲンストに吹いている。オーガスタの松林を自由奔放な風が吹き抜けた2日目は、フィールド全体の平均ストロークが「74.563」と初日より「0.77」悪化した。だが、初日1オーバーだった松山英樹は1アンダー「71」で巻き返して通算イーブンパーとし、29位から18位へと順位を上げた。
ショットコントロールには苦しんだが、ショートゲームが支えだった。前半にパーオンしたのは、わずかに3回(3、6、8番)。だが、7度の1パットでボギーは4番(パー3)1つに抑え、2バーディを奪い1つ伸ばして折り返した。
アーメンコーナー入り口の11番。フェアウェイからの2打目は打った瞬間にアイアンから手を放すミスショット。球はグリーン右の左足下がりのこぶに止まった。グリーンはピンに向かって超高速で、3時間前にティオフしたフィル・ミケルソンは近い場所からロブショットを試みたほど。松山のアプローチはグリーンエッジに落として球の勢いを殺し、とろとろと傾斜を使って1.2mにぴたり。パトロンたちは賞賛の拍手を送った。
だが、この短いフックラインのパーパットはカップ左を抜けてしまう。最終18番でも1.2mのパーパットを外し「もったいなかった」と悔しがったが、全体的には好感触。「パットは入ってくれたので良かった」と、希望を持って週末へと入っていく。
途中、4番のティグラウンドで飯田光輝トレーナーを呼び寄せて、左手を触ってもらった。「前の2試合では痛くなかったけど、ひさびさに痛くなってびっくりした」というが、ラウンド後は「たぶん、この痛みはゴルフを棄権するほどじゃないと思うので大丈夫」と言い切った。
ボードを見れば、首位はパトリック・リードの9アンダーで、マーク・レイシュマン(オーストラリア)が7アンダーで続いている。
自分の状態は、誰よりも自分自身が分かっている。“期待できない”という自己評価は変わらないし、一方で周囲が“期待している”ことも知っている。松山ができることはただ一つ。「しっかりと良いプレーができるように準備したい」と唇を結んだ。(ジョージア州オーガスタ/今岡涼太)