ショットに不満も 松山英樹の復帰戦はウッズと同組に
◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待byマスターカード 事前情報(13日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ◇7419yd(パー72)
左手親指付け根の痛みで戦列を離れていた松山英樹が、15日(木)開幕の米ツアーで復帰する。途中棄権した「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」から1カ月半ぶりとなる復帰戦では、予選ラウンドでタイガー・ウッズ、ジェイソン・デイ(オーストラリア)と同組になった。
松山はフロリダ州にある拠点で2週前から練習を再開し、近隣コースである今大会の会場、ベイヒルクラブ&ロッジでは前週11日(日)に事前ラウンドを開始。13日(火)は冷え込みが厳しかった午前中にイン9ホールを回った。
心配される患部の状態は「痛み? 今はないです」という。一時帰国中だった2月に複数の病院で精密検査を行い、筋肉やじん帯への異常はないと診断された。「直接的な原因は分からなかった。でも今は大丈夫。(直近の)1週間ちょっと、ずっと練習していますけど、痛みはないのでいいかなと」と前向きだった。
ドライビングレンジでフルショットの球数を制限しているが、テーピングを施すこともなく、打ち込みの間も手を気にする仕草はない。練習ラウンドに出ると、グリーン周りからのチッピングを入念にチェックし、複数のクラブを試し、1つのミスで不機嫌さをちらつかせては、時折笑い声を上げる。故障前と変わった様子は見受けられなかった。
PGAツアー公式サイトのパワーランキング(優勝予想番付)には今週、上位の常連だった松山の名前がない(1位はウッズ)。それも覚悟の上。この日は「プライベートの練習では良い状態に仕上がっていたが、トーナメント会場でスイングすると思ったように振れなかったりする。試合になると、もっとうまくいかない。それをどれだけつなげていけるか」と、ショットのできには不満を漏らした。
前週、今大会に向けての心境を「楽しみが90%、不安が10%」と吐露していたが、コース入りしてから「楽しみは20%。緊張が5%、体の痛みの不安は5%。あとの70%は…ゴルフの不安(笑)」に変わった。
「今週しっかり4日間できるようにして、いいものがつかめるように。来週のマッチプレーも、(4月の)マスターズに楽しみになる」。1月の「ファーマーズインシュランスオープン」最終日以来となるウッズとの同組プレー、そしてブランク明けの実戦で、心模様はどう変化するだろうか。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)