WGC2勝目へ 松山英樹“9時間ラウンド”経て3位浮上
◇世界選手権シリーズ◇WGCブリヂストン招待 2日目(4日)◇ファイヤーストーンCC(オハイオ州)◇7400yd(パー70)
長い1日を経て絶好のポジションを勝ち取った。1アンダーの15位タイから出た松山英樹は4バーディ、1ボギーの「67」で回り、通算4アンダーとして首位と3打差の3位タイで4日間大会を折り返した。
スタート時刻は、早朝の悪天候で予定よりも45分遅れて午前10時5分。雷雲接近による2度の中断を受け、ホールアウトしたのは午後6時55分。約9時間に及んだラウンドを松山は「長いです。疲れはないですよ、同じ18ホールなんで」と淡々と振り返った。
2番のティショットを放った後、46分の中断を挟んだ開始7ホールはパットを決めきれずパーが並んだ。「きのうと対照的なゴルフで静かだなと思っていた」という展開で迎えた8番、グリーン左手前から20ydをウェッジで転がしてチップインパーディを奪取。「グリーンが速そうで、寄ればいいと思っていたら入ってしまった」という一打で勢いづくかに思われたところで、続く9番の2打目を終えて2度の中断に突入した。
午後1時11分から3時間19分におよぶ待ち時間のあいだ、コースには雨風が吹き荒れ、雲間から太陽も顔をのぞかせた。グリーンは「雨が降って遅くなって、風が吹いて硬くなってきそうな雰囲気があった」という難解な状態になったが、10番で3パットボギーをたたいてから一気に浮上した。
12番(パー3)はティショットを7Iでピンそば1mにつけ、14番では7mを沈めてバーディを重ねた。飛ばし屋のダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカがショットを大きく曲げて何度もピンチを招いたのをよそに、松山はパーオンに失敗したのは18ホール中3ホールだけと、じっくりチャンスを待った。終盤17番では同組の2人が300yd弱のティショットを放った一方で、ひとり約260yd先バンカーの手前に3Wで刻み、154ydを残した2打目は、3人で最も近いピンそば3mにつけてバーディを決めた。
「ドライバーは何回か思い通りに打てて、良くなっている感じがありますけど、フルショット以外のショットがなかなかうまく打てていない。優勝争いできる状態に? ないですね」と課題を並べながらも、「まあ、順位は良いので(残り2日は)この2日間のようにやれたら」と気負いもなく、静かに残り36ホールを見据える。
年間4回の世界選手権シリーズ。直近1年のチャンピオンは3大会を制したジョンソンのほかは、昨年「WGC HSBCチャンピオンズ」で勝った松山しかいない。翌週のメジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」(ノースカロライナ州クエイルホロークラブ)も控える中、もちろん優勝候補のひとりとして週末を迎える。(オハイオ州アクロン/桂川洋一)